あの話題作「学園ハンサム」がついに小説化!

アニメ・マンガ

2013/12/1

 BLには、学園ものや職業ものだけでなく、動物や電車などの擬人化ものにSM、アラブもの……といったように、多種多様なジャンルの作品がある。もはや、BLにないものなどないし、どんなものが出てきても驚かないのではないかと思えるほど。しかし、そんなBLのなかでも、すごいと話題になった同人ゲームがあるのだ。それが、2009年に登場した「学園ハンサム」。これは、東北芸術工科大学映像学科の学生7人からなる「チーム欲求腐満」が作ったもので、ニコニコ動画にアップされたOPの映像が話題に。その後、2010年のコミティアや公式ブログ、とらのあなWebサイトで完成したゲームが販売され、GREEやMobageでも特別ストーリーを加えたものが配信されている。そんな伝説のゲームである「学園ハンサム」が、11月14日にラノベになって登場した。その中身とは、一体どうなっているのだろう?

 『学園ハンサム』(木足利根曽/PHP研究所)の物語自体は、ゲーム同様主人公の前田良樹がハンサムだらけの薔薇門高校に転校してきて、そこの生徒や先生と恋愛を繰り広げるというオーソドックスなものなのだが、とにかく登場人物たちがぶっ飛んでいるのだ。

 まず、キャラの人気投票でも1位に選ばれたサッカー部キャプテンの美剣咲夜先輩。いろんな人に喧嘩をふっかけまくっていると生徒に恐れられていた彼だが、サッカーの腕前は確かで、良樹が落とした消しゴムを届けてくれるような優しさもあった。だから、良樹もそんな彼に憧れてサッカー部に入部する。それなのに、「よし、俺の魅惑のキックをよく見ろよ! ちゃんと受け止めるんだぞ……そりゃっ!」と言って美剣が蹴ったボールは、良樹もろともぶっ飛ばし、グラウンドの端にある校舎の壁に叩きつける。おまけに、口説き文句も「お前はささくれ立ったささくれ咲夜を、やわらか咲夜にしてくれた」というものだし、どうしてそんな相手を好きになれるのか理解に苦しむかもしれない。それだけでなく、彼の一際目を引くポイントである尖ったアゴが、衝撃的な結末をもたらしたりもするのだ。

 また、担任の先生として登場する西園寺輝彦は、初対面から「お前、歌は好きか?」と聞いていきなり歌い出す。そのうえ、転校してきた良樹をクラスのみんなに紹介しながら「こんなに可愛い顔だからクラスのマドンナ候補だろうけど、お前ら覚えとけよ。こいつは俺のフィアンセだからな☆」と、ばしっとウインクしながら告げるのだ。さらに、良樹を生徒指導室に呼び出すといきなり「ストレス解消させてやろうと思って」と言って、なぜかサンバの衣装を手渡す。それに疑問を抱きながらも、なぜか良樹は一緒にサンバを踊ってしまう。

 そして、美剣と並んで良樹の心を揺さぶる転校生の志賀慎吾は、色黒の肌に鋭い目線が魅力的なハンサム。どこか寂しげな雰囲気をまとう彼だが、学校にいる野良猫をかわいがっていたり、お祭りの金魚すくいでとった金魚をプレゼントしてくれたりする。でも、良樹と目があってもふっとそらされ、何も言わずに横をすり抜けて行かれるし、勇気を出して話しかけたのに「死ね」と言われるのだ。それでもがんばって、映画が好きという彼を誘ってみたら「映画!? キャッホーーーーーーーーー!!!」という感じで鼻血まで吹くし、極度の“厨二病”で急に自分は天才魔術師だとか、魔王が目覚めたと言ってくる。知れば知るほど残念な感じになっていくのに、良樹の心は惹かれていってしまうのだ。

 ほかにも、数年ぶりに再会した幼馴染や真面目で厳しそうなのに、どこか抜けてる生徒会長。ゲームでは登場しない新キャラやイケメン大好きな妹なども登場する。これをBLと呼んでもいいものかと悩んでしまいそうだが、懐の深い腐女子ならきっとこんな作品も受け入れて萌えに昇華してくれるのだろう。

文=小里樹