「行けたら行きます」は100%来ない! 知らなきゃ困る暗黙のルール

社会

公開日:2014/10/3

 世の中には、たくさんの“暗黙の了解”というものがある。特に、人間関係に支障をきたさないように気遣う日本人には、言葉にしなくても意思疎通できる共通ルールは多い。その中身は、知らないと恥をかくものからその世界では当たり前になっていて、知っていると通ぶれるものまでさまざまだが、そんな暗黙のルールをまとめた『知らないと生きていけない! 「暗黙の了解」読本』(造事務所/廣済堂出版)が発売された。ここから、いろんな場面における暗黙の了解を紹介してみよう。

 まずは、知らないと恥をかいてしまう可能性があるビジネスシーンにおける暗黙の了解から。取引先の相手を自社のイベントに誘った際、「行けたら行きます」と返されたら、100%来ないと思っていいよう。行けたらという前置きがついているものの「行きます」と言っているわけだから、来る気があるようにも聞こえるが、ビジネストークにおけるあいまいな返事は、「ノー」を意味するというのだ。はっきり言ってもらった方が親切な気もするが、やはり言われた側からするといい気はしない。こうやってやんわりぼかすという暗黙の了解も、角が立たないように気を配る日本人らしいやさしさがあったからこそ生まれたのだろう。

 また、スポーツマンシップという言葉もあるように、とにかくスポーツにおける暗黙の了解も多い。たとえば、野球でたびたび起こる乱闘にも、それはあるよう。デッドボールやランナーと本塁を守るキャッチャーとがぶつかるクロスプレイなど、審判の判定に納得がいかない場合の抗議として行われる乱闘。そこには、ベンチやブルペンの選手など、チームの全員が参加するという暗黙の了解があるらしい。もちろん、「乱闘で勝つ」ことが目的ではないし、相手がどんなに危険なプレイをしても、ケガを負わせてはいけないので、バットやボール、ヘルメットといった凶器になるものを持ってはいけない。それなのにこんな暗黙の了解があるのは、「本来の目的である抗議のために、チームが一丸となること」が求められるからだという。参加しなかった選手には、あとで罰金などの懲罰が科せられることもあるというからなかなか厳しい。

 そして、郷に入っては郷に従えということで、土地によっての暗黙の了解もあるよう。たとえば、名古屋の味噌煮込みうどんで「食卓に出される直前に土鍋にかぶせられるふたは、小皿代わり」にし、うどんとその汁をよそって冷ましながら食べる。だからなのか、名古屋では味噌煮込みうどんを「アルデンテで食べる」のが暗黙の了解だというのだ。芯を残した状態の太くて固いうどんが、味噌煮込みうどんの知られざる特徴でもあるよう。逆に、ゆで置きのやわらかい麺が主流になっているのは、うどん伝来の地としても知られる博多。バリやわとも呼ばれる腰の弱い麺は、素早く食べられる食事として普及したことから定着したようだが、知らないとびっくりしてしまうかもしれない。

 ほかにも、サッカー日本代表戦のようなお祭り騒ぎがある日には、水道局水運用センターの局員も日本代表戦の様子をテレビで見守りながら手動で水量を調節しているとか、知っていると楽しい業界の“暗黙の了解”もたくさんある。いろんな“暗黙の了解”を知って、少しでも楽しく円滑に生活するために役立ててみるのもいいのではないか。

文=小里樹