白泉社がおくる、まったく新しいキャラクター時代小説シリーズ「招き猫文庫」創刊!!

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2014/11/6

ブームが定着し、いまや一大人気ジャンルとなった時代小説。
そこへ白泉社のまったく新しい文庫シリーズが参入した。
マンガ出版社ならではの“キャラクター”にこだわった時代小説には、
女性を夢中にさせるヒーローやヒロインが続々登場!
さっそく気になる作品をチェックしてみよう。

表紙も物語も女性がハマる、新感覚時代小説シリーズ

 数々の名作マンガを世に送り出してきた白泉社がもし時代小説を手がけたら……? そう考えただけで想像がふくらむ、まったく新しい時代小説シリーズ「招き猫文庫」がこの11月5日に創刊した。

「いつの時代にも誰もが憧れるヒーローやヒロインがいました。無名でも精いっぱい働き、学び、友情や家族愛をはぐくみ、燃えるような恋をしてきた人々がいました。私たちは彼や彼女たちを“スーパーキャラクター”ととらえ、時代小説というイマジネーション拡がる世界のなかで、思いっきり羽ばたかせようと思いました」

 そんな編集部の思いを込めてスタートした本シリーズは、女性作家を多く起用している。第一回目に刊行されるのは、あさのあつこさんほか4人の作家が紡ぐアンソロジー『てのひら猫語り』、深沢美潮のちょっと切なくて不可思議なお江戸散歩絵巻『ぷらっと黄表紙 猫の恋』、藤咲あゆなが源平の世に絢爛と咲いた女性たちを描いた『源平の姫君たち紅の章』ほか、バラエティに富んだラインナップ。表紙イラストにも、『笑う大天使』の川原泉、『紅茶王子』の山田南平など白泉社の人気マンガ家が参加している。従来の男性向け時代小説とはかけ離れた、ジャケット買いしたくなるほど女性の目を引くシリーズだ。

 招き猫文庫編集長の松浦豊氏によると、このような女性読者を意識した時代小説を出すことは、ずいぶん前から多くの社内スタッフが考えていたという。

「弊社は、小説ではボーイズラブ系のものを20年前から出していますが、他のエンターテインメントも出したいという声はずっとあがっていました。特にここ数年ブームになっている時代小説は、『しゃばけ』シリーズや『みをつくし料理帖』シリーズが女性に人気でベストセラーになったのに、書店に行っても女性が読みたくなる時代小説が少ないね、と。そこで歴史の知識がなくても気軽に楽しめる、ライト層に向けた時代小説シリーズを立ち上げることにしました。白泉社のマンガで育った人たちももう30〜50代。そういったマンガファンの方々にも楽しんでもらいたいと思っています」

 招き猫文庫では時代小説の新人賞も創設。入賞者には担当編集者がつき、大賞作は招き猫文庫より刊行される。
 キャッチコピーは“ネコろんで読める時代小説”。
 読むのも、書くのも、ぜひ肩の力を抜いてお楽しみあれ!

マークイラスト=フジモトマサル 取材・文=樺山美夏 写真=冨永智子

 

5人の作家が描き出す江戸猫噺アンソロジー
『書き下ろし時代小説集 てのひら猫語り』

あさのあつこ、金巻ともこ、越水利江子、時海結以、平谷美樹/著
川原 泉/イラスト

640円(税別)

白髪の好々爺が貸物屋の少女に白い子猫を注文したその理由とは? 屋敷の「洗い屋」おゆきの懐に飛び込んできた黒猫が知る無人の武家屋敷に隠された秘密。良縁を招くといわれる白猫の柄の振袖にまつわる逸話。父と二人暮らしの娘が可愛がっている猫のタマが引き寄せた不思議な縁。本所深川生まれの娘が奉公先のお屋敷で気づいてしまった奥方さまの秘密――。江戸の町を闊達に人と猫が駆け回る珠玉のアンソロジー。

〈収録作品〉
「異聞 井戸の茶碗」金巻ともこ
「ぼんやりと落語を聞くのが好きなのですが、落語に出てくる脇役の人たちって物語の脇でなにを考えているのかなあ、と疑問に思ったところから物語が生まれました。猫大好きです。4匹飼ってます」(金巻ともこ)
かねまき・ともこ●1975年、神奈川県出身。「キングダム ハーツ」シリーズ、『ドッグポリス 奇跡の警備犬ものがたり』など、ノベライズ作品を中心に活躍。小説のほか、ゲームのシナリオやマンガ原作なども手がけ幅広く活動中。

「洗い屋おゆき」越水利江子
「武家屋敷を丸ごと洗う“洗い屋”稼業のおゆきに大ピンチ。現れたのはヘタレ同心……二人のバディをお楽しみください」(越水利江子)
こしみず・りえこ●高知県出身。『風のラヴソング』で文化庁芸術選奨文部大臣新人賞、日本児童文学者協会新人賞を、『あした、出会った少年―――花明かりの街で――』で日本児童文学文芸家協会賞を受賞。「忍剣花百姫伝」シリーズほか著書多数。

「着物憑きお紺覚書 縁の袖」時海結以
「江戸の長屋の庶民は、一生に十枚足らずしか着物を持てず、一枚一枚を大切に着たので、思いがこもったのです」(時海結以)
ときうみ・ゆい●長野県出身。歴史博物館に勤務ののち、2003年『業多姫』でデビュー。「玉響」シリーズほか著作多数。『小説 ちはやふる 中学生編』、小説『弱虫ペダル 巻島・東堂 二人の約束』などノベライズも多く手がける。

「貸物屋お庸 貸し猫探し」平谷美樹
「江戸時代のレンタルショップ〈貸物屋〉のお庸と、猫を借りに来た奇妙な客・五右衛門の活躍をお楽しみください」(平谷美樹)
ひらや・よしき●1960年岩手県出身。2000年『エンデュミオンエンデュミオン』でデビュー。同年『エリ・エリ』で小松左京賞を受賞。14年、歴史時代作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞。ホラー、歴史小説ともに著作多数。

「鈴江藩江戸屋敷見聞帳 にゃん!」あさのあつこ
著者・あさのあつこさんインタビューは次ページに!

→アンソロジー『てのひら猫語り』あさのあつこさんのインタビューは次ページ!