「ブックショート アワード」第1回大賞は結城紫雄『HANA』に決定! プレゼンターには筧美和子が登場

文芸・カルチャー

2015/6/12

 アジア最大級の国際短編映画祭『ショート ショート フィルムフェスティバル & アジア2015』に、今年から新たに創設された「ブックショート アワード」。WEBで公募した二次創作の短編小説に贈られるもので、映画祭による文学賞らしく、大賞に選ばれた作品はショートフィルムに映像化されることがあらかじめ決まっている。6月4日(木)のオープニングセレモニーで大賞の発表と表彰が行われ、全2330作品の中から、芥川龍之介の『鼻』をモチーフにした『HANA』がその頂点に選ばれた。

ブックショートアワード大賞を受賞した結城紫雄さん

 授与式には作者の結城紫雄氏が出席。プレゼンターの筧美和子からトロフィーと賞金100万円を受け取った。高い身長に小さな顔、甘いマスクと、三拍子そろった結城さんのルックスに、司会のLiLiCoからは早速「結城さん……かっこいいですね!!なんか私、お腹すきました!」と肉食発言が飛び出し、筧も「すらっとしてて、俳優さんみたい」と絶賛。というのも、受賞作『HANA』の原型になった『鼻』は大きな鼻にコンプレックスを抱く和尚の話で、今作でその設定は“胸の小ささに悩む女子高生”に置き換えられている。このアイデアはどのように出てきたのか訊かれると、結城氏は「実は僕自身、いままで見た目にコンプレックスを持ったことがあまりなくて」とコメント。司会でこの映画祭の代表を務める別所哲也から「おっと?! これはちょっとした自慢ですか(笑)」とツッコまれながらも、「なので今回はあえて、外見的なコンプレックスとはどういうものか、ということを作品の主題にしました」と、創作の経緯を明かした。またブックショート アワードについては「(映像化が前提のため)脚本家や映像作家など、小説を書いていない方からの応募がすごく多いんです。そこが異種格闘技っぽくてすごく面白いと思う」と、この賞ならではの魅力を語った。

プレゼンターを務めた筧美和子さん

受賞の喜びを語る結城さん

 またこの日は「ブックショート アワード」以外の賞でも表彰や発表があり、多くの著名人が出席してセレモニーを盛り上げた。その中のいくつかを紹介しよう。

■特別賞

ももいろクローバーZ VS KISS「夢の浮き世に咲いてみな」

 ショートフィルムを通してメディアや映像業界に特別な貢献をした作品・人物に贈られる。今年は、浮世絵という共通の興味から実現した異色のコラボレーションに。当日は本人たちの登壇こそ叶わなかったものの、2組ともユーモアに富んだメッセージ動画で受賞の喜びを伝えてくれた。

■話題賞

鉄拳

 日本のショートフィルム文化の発展・普及に貢献した作品・人物に贈られる。またこの日は、世界中の涙を誘った「振り子」以来、実に3年ぶりとなる新作パラパラマンガ『SLIDE』の初上映も。2900枚にものぼる絵コンテを3ケ月かけて描き上げたという本作は、浅田真央を彷彿とさせる、フィギュアスケーターの挫折と再起を描いた感動作で、上映後は会場から大きな拍手が沸き起こった。

■UULA×Shorts Shorts ミュージックshort部門共同プロジェクト
『ブーケなんていらない』作品完成発表
音楽・映像業界の活性化と若手クリエイターの発掘を目的としたプロジェクトで、今回はMay J.の新曲「Love is tough」の世界観をもとにショートフィルムを制作。作品の出来については「自分の力で前に進んでいく女の子たちの姿に勇気をもらえた」と、May J.も太鼓判を押した。

 ブックショート アワード大賞受賞作『HANA』はショートフィルム化のほか、すでにJ−WAVEでのラジオ番組化も決定している。二次創作で新たな命を吹き込また物語が、メディアミックスではどのように表情を変えてくるのか楽しみだ。また、ブックショートアワードはすでに第2回(2015年度)の募集も始まっている。二次創作×短編小説というこれまでになかった組み合わせがどんな才能を生み出すのか、今後も注目したい。

文=山﨑めぐみ