なんと! あの! あの「パセリ」が主役のレシピ本が登場!【作ってみた】
公開日:2015/6/14
2013年、「パセリは半分以上が捨てられている」ということを知ったパセリ農家の人の悲しみが話題になった。「そうですか…おいしくできたと思ったんですけどね…」という悲しみに満ちた言葉に、当時「もうパセリは残さない」「パセリ食べるよ!」と言っていた人たちは、今もパセリを食べているだろうか。ファミレスなどで見ている限り、食べていない人が多いように思う。
そんな脇役として悲しい運命をたどることの多いパセリだが、なんとこの度、レシピ本の主役に抜擢されたのだ。その名も『パセリ食堂』(枝元なほみ/PHP研究所)。本書では、ごはんに、スープに、おかずに、サラダにと、パセリが大活躍している。パセリは、βカロチンやビタミンC、ビタミンEなど非常に多くの栄養が含まれている緑黄色野菜。さらに、カルシウムや鉄分などのミネラルも豊富に含まれている。本来、積極的に摂りたい食材なのだ。
しかし、苦みや独特の風味が苦手な人も多いだろう。積極的に食べるには、美味しくなければならない。そこで、実際に本書の料理を作って、美味しく食べられるのか試してみた。
「パセリ餃子」(P.41)
豚肉:パセリ=2:1というパセリ尽くしの餃子。隠し味にカレー粉が入っている。パセリの爽やかさが効いていて、いくらでも食べられそうな味。餃子のたれは、普通に酢醤油とラー油などでも美味しいが、本書に掲載されているナンプラー、酢、ラー油、刻みパセリを混ぜたものもよく合う。
「豆腐のエスニック炒め」(P.47)
木綿豆腐と豚挽き肉、パセリのエスニック炒め。にんにく、生姜。豆板醤で豚挽き肉を炒め、レンジで水分を飛ばした木綿豆腐とパセリを加えて、コショウと粉山椒を加えれば完成。簡単に香りの良いエスニック風に。豆板醤のピリ辛と粉山椒の刺激が食欲をそそる一品。
「丸ごと玉ねぎとパセリのスープ」(P.74)
皮をむいて十字に切込みを入れた玉ねぎとベーコンを煮込み、パセリを入れてさらに煮込めば完成。今回は、炊飯器で作ってみた。玉ねぎとベーコンを入れて炊飯、パセリを入れて保温で完成する。ほろほろと崩れる柔らかくなったベーコンと玉ねぎ、パセリの風味が相性抜群。
パセリ入りポテトサラダ(オリジナル)
じゃがいも、にんじん、きゅうり、ゆで卵、ベーコン、マヨネーズ、塩コショウとともに、みじん切りにしたパセリを加えるだけ。パセリを加えることで、いつもとはまた違うポテトサラダが楽しめる。見た目も華やかなので、持ち寄りレシピとしても重宝しそう。
ちなみに、パセリは洗ってビニール袋に入れて冷凍すれば、ビニール袋の上から軽く揉むだけで簡単に細かくなる。凍るのも比較的早いので、みじん切りのパセリを使いたい時は凍らせて細かくしよう。
実際にパセリ料理を作ってみて、パセリの魅力を強く感じた。この味は、パセリにしか出せない! 『パセリ食堂』には、他にも美味しそうなレシピがたくさん掲載されている。ただの飾りとして置くのではなく、美味しく食べて栄養を体に取り入れよう。
文=月乃雫