ストレス解消に、業務効率アップに、瞑想を試してみては?

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公開日:2015/11/13


『世界のエリートはなぜ瞑想をするのか』(渡邊愛子/フォレスト出版)

 欧米ではビジネスツールとしても取り入れられている「瞑想」。日本でも最近は多少知られるようになってきたが、まだまだ誤解されている部分も多いように思える。特に、「瞑想=怪しい」というイメージを持つ人は多いのではないだろうか。しかし欧米では、ハリウッドスターや大物ミュージシャン、一流スポーツ選手や実業家など、様々な舞台で活躍する人たちが生活に取り入れている。つまり、人生で大きな成功をおさめている人たちが実践しているのが瞑想なのだ。

 そうなると、少し興味が湧いてくる人もいるかもしれない。そこでお薦めなのが『世界のエリートはなぜ瞑想をするのか』(渡邊愛子/フォレスト出版)。かつてはバリバリのキャリアウーマンで瞑想なんて信じていなかったが、とあるきっかけで瞑想の世界に足を踏み入れ、瞑想ティーチャーとなった著者が、自身や瞑想を実践している人たちの体験談を交えながら、瞑想について分かりやすく説明している。

 実は筆者も、かつては瞑想に対して偏見があった。しかし数年前に、あるハリウッドスターが毎朝かかさず瞑想を行っていることを知り、イメージが変わった。というのも、このハリウッドスターは、俳優として素晴らしいだけではなく、人間的にも評価の高い人物だったのだ。

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 では、瞑想を行っていくと、具体的にどんな変化があるとされているのだろうか。本書では瞑想を始めるべき理由が20点ほど紹介されているが、大きく分けると健康増進、幸福感アップ、社会的生活が向上する、自己管理能力が上がる、脳がより良く変化する、生産性が上がる、という効果があるとのこと。

 瞑想のやり方については、1分コース、5分コース、10分コース、20分コースが紹介されているので、気軽に始めてみたい人から、じっくり取り組みたい人まで対象になるだろう。著者によれば、たとえ時間が短くても、毎日続けられるように無理のない範囲で生活の一部にしていくことが大切だそう。確かに、多忙な日々の中で、いきなり毎朝20分瞑想をするとなるとハードルが高いが、1分や5分ならできそうな気がしてくる。

 そこで、一週間ほど瞑想にチャレンジしてみた。選んだのは5分コース。最低でも朝か夜に一回、可能であれば朝と夜の二回という目標を立てた。実際には、二日目の朝に行うのを忘れたため、夜に行ったが、あまり集中できなかったので、それ以降は朝の起床後のみに行うことにした。本書で勧められているとおり、空腹状態で静かな部屋で行い、できるだけ呼吸に集中をして、雑念が浮かんだら意識を呼吸に戻すよう心がけた。

 瞑想を実践してみた感想としては、「5分という短い時間でも、それなりの充実感がある」ということ。瞑想をすると頭がスッキリするという話も聞くが、確かに、寝不足の朝も5分の瞑想をしてから出かけると、朝の通勤電車やオフィスで眠くてぼーっとするということがなかった。正直なところ、これには驚いた。

 他にも、瞑想を続けていると物事が思うように進んだり、人間関係がスムーズになったり、平常心が保てるようになったりと、人によって様々な効果があるようだ。

 効果のほどは別としても、心と体を休める時間を見つけるのにも苦労するような多忙な日々を送る人にとって、毎日数分であっても静かな時間を過ごすだけで価値がありそうだ。

文=松澤友子