「亡き戦友との再会を喜んでいるかもしれないですね」 漫画家・水木しげる氏の訃報にやまぬ悲しみの声

マンガ

公開日:2015/12/4


 『ゲゲゲの鬼太郎』をはじめ、数多くの作品を世に輩出し続けた漫画家・水木しげる氏が、2015年11月30日(月)に多臓器不全のため亡くなった。享年93歳。高齢になっても精力的に創作活動を続け、「元気な大先生」と愛されていただけに、日本中が悲しみに包まれている。

 1922年、鳥取県境港市に生まれた水木氏。高等学校卒業後、画家を目指し大阪に行くが、やがて太平洋戦争のため、激戦地・ラバウルへ。同地で敵襲により左腕を失うことになるが、帰還してからは紙芝居、貸本漫画などの執筆を経て、1964年に『ガロ』で商業誌デビューを果たした。その後は、自身の戦争経験から描かれた『水木しげるのラバウル戦記』や『総員玉砕せよ!』といった作品のほか、『悪魔くん』『河童の三平』『ゲゲゲの鬼太郎』など、日本中に愛される作品を生み出していった。

 そうした作品群により得た賞は、「講談社児童漫画賞」「文化庁芸術作品賞」「日本漫画家協会賞 文部大臣賞」など、数知れず。近年では、2010年に「文化功労者」、2011年「東京都名誉都民」、2012年&2015年には「アイズナー賞」最優秀アジア作品賞を受賞しており、ますますの活躍が望まれていた。

 しかし今年5月、『ビッグコミック』で連載されていた『わたしの日々』が突如最終回に。ただ、水木プロダクションからはTwitterを通じて、「高齢で連載が精神的にも負担なのと、あちこち出掛けなくなったので漫画のネタが不足気味で…です。皆さまご心配なくです!」と伝えられ、「よかったです!」「急だったので倒れたのかと思いましたが、安心しました」とファンを安心させた。また、同Twitterにピザやケーキを食べる水木氏の写真をたびたびアップし、「元気で何より」「このまま好きなものだけ食べ続けて、長生きしてください」と喜ばせていた。

 そんな水木氏が永眠。公式サイトでは「11月11日に自宅で転倒。頭部打撲による硬膜下血腫で緊急手術を受け一時回復していたが、11月30日未明に容体が悪化。多臓器不全により逝去」と発表している。このあまりに突然の水木氏の死に、ファンからは「マジか」「悲しすぎる」「もっと読ませてくれよ!」といった声が上がると共に、多くの著名人が追悼のコメントを寄せた。

 中川翔子は、ブログに水木氏との写真をアップし、「水木しげる先生と対談させていただいた時に寝る時間は黄金の時間!寝てる時間にアイデアも浮かぶし寿命がのびる! というお言葉を頂き、それから自分の生き方考え方を改めました。墓場鬼太郎で寝子を演じさせていただけたこと、宝物です」「わたしも父からゲゲゲの鬼太郎を渡されたように子孫にまで読ませ続けたい」とつづった。

 TVアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」で主人公・鬼太郎役を務めた野沢雅子は、所属事務所を通じ「先生にお会いした機会は数回でしたが、気取らず生まれっぱなしのような純粋な方でした。私も同じように生まれっぱなしの人間なのでとても親近感がありました。今の声優野沢雅子としてここまでやってこられたのも鬼太郎との出会いがあったからこそと大変感謝しております」とコメント。

 他にも、実写映画「ゲゲゲの鬼太郎」で鬼太郎を演じたウエンツ瑛士が「先生はきっと今ごろ、あの世で自分自身がつくった妖怪とたわむれているんじゃないでしょうか。残された僕たちは悲しいですが、先生は楽しんでいらっしゃるはず」と綴り、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」で水木氏を演じた向井理が「『女房』である布枝さんにお会いできたのは私の財産です。お二人の醸し出す雰囲気が大好きでした。憧れでした」とコメントを寄せたりと、多くの著名人が悲しみと感謝を伝えている。

 向井が「会えたことを財産」と語る、水木氏の妻・武良布枝さんは、12月1日(火)に公式サイトで「家族を一番大切に思ってくれたお父ちゃん。これからもきっと見守っていてくれると思います。今は、亡き戦友との再会を喜んでいるかもしれないですね」と、ファンや関係者に向け報告。なお、水木氏は生前「最期は神様が決めることに従ったらええ」と述べていたといい、布枝さんも「これも神様が決めたことだったのかも知れません」とつづっている…。

 心からご冥福をお祈りいたします。


■『現代妖怪譚(全)他
著:水木しげる
価格:2,484円(税込)
発売日:2015年12月3日(木)
出版社:講談社