女性必読! 結婚で豹変するブラック彼氏を見破る方法

恋愛・結婚

2015/12/25


『ブラック彼氏』(堀井亜生/毎日新聞出版)

 人を判断する時、外見や社会的地位を気にしないという人はどれくらいいるだろうか? 決して見た目だけで判断するつもりはなくても、わざわざ見た目が好みでなく、条件の悪い人とつきあいたいと思う人はあまりいないだろう。特に恋愛の先に結婚を意識する年代の女性は、異性の学歴や職業など、条件的な面に目が行きやすい。そして、つきあいが深まるにつれて違和感が出てきても、「本当はこんな人じゃないから」と目をつぶって、そのまま結婚してしまいがちだ。

 恋愛中、婚活中の女性を中心に一度目を通してもらいたい本として『ブラック彼氏』(堀井亜生/毎日新聞出版)を紹介する。恋愛をすると、女性は母性本能のせいか、相手の欠点が見えてもあえて見ないふりをしやすい。「あんな彼でも、私にはかけがえのない人」「私にだけわがままなところを見せてくれる」などと自分に言い訳をして、泥沼にはまりやすい。だからこそ、数多くの離婚訴訟を担当した女性弁護士が書いたこの本を読んで、一度冷静にチェックしてみることをおすすめしたい。

 この本では、結婚した途端、それまでの優しい彼とは一変する可能性の高い男性の特徴を、5つの類型50のチェックポイントとして紹介している。「ブラック彼氏」とは、見た目や学歴、収入などは申し分ないのに、いざ結婚してみると離婚に至るような欠陥が出てくる男性のこと。表面的には優良企業なのに、いざ入社してみたら従業員に対して過重労働や違法労働を強いる“ブラック企業”だったというケースによく似ている。

 「隠れモラハラ系」「隠れ浮気系」「隠れマザコン系」「隠れドケチ系」「隠れDV系」という分類になっていることからわかるとおり、決定的な問題点が普段は隠されているのが「ブラック彼氏」の特徴だ。しかし、本性が口ぐせや態度ににじみ出るため、注意して見ていると怪しい部分に気がつく。著者は、離婚訴訟や男女問題に関する事案を多く扱っている経験から、そのような部分が垣間見えた時は一旦冷静になって2人の関係を見直してほしいと言っている。

 例えば、「俺が、俺が」と自分の仕事について熱く語る一方で、人の話にはまったく耳を傾けないような男性は「隠れモラハラ系」、真面目なのに転職が多い男は「隠れDV系」とこの本では分類されている。しかし、そのような部分をもった人が必ずしもブラックだと言い切っているわけではない。なぜそのような部分から見抜けるのかという理由がきちんと挙げられた上で、怪しい一面が見えた時には冷静に関係を見直してほしいということが書かれている。

 この本では、50のチェックポイントひとつひとつに理由と対処法が書かれている。何でもかんでも男性の言動ひとつひとつに注意して、おかしな点が見られたら「そんな相手とは別れろ」と書いてあるわけではない。さらに、本の後半部分にはブラック彼氏にはまりやすい女性側の問題点についても書かれている。ブラック彼氏は相手がいなければブラックの本性を出せないのだから、ブラック彼氏の本質を見抜けず、助長してしまう女性側の姿勢も注意点として挙げられているのだ。

 男性の中には、この本のタイトルや見出しだけを見て「男性ばかり酷評するな! 『ブラック彼女』も出せ!」と言いたい人がいるかもしれない。でも、中身を最初から最後まできちんと読んでみれば、一方的なことだけが書かれているわけではないことがわかるはずだ。おそらく、著者なら『ブラック彼女』も書けるだろう。ただし、ブラック彼女の類型は5つでは済まないかもしれない。男性が女性のブラックさを見抜く方が難しそうだ。

 恋愛も結婚も男女どちらかだけに責任があるものではない。ブラック彼氏と結婚してしまうのには、女性側にも何かしら問題があるだろう。ブラックになり得る資質をもった彼を、ブラック亭主にしてしまうのは、垣間見えた違和感に目をぶってしまったからかもしれない。「ブラック彼氏につかまらないように」という視点だけではなく、「大好きな彼氏をブラック亭主にしないためには」という視点でも読むこともできる1冊だ。

文=大石みずき