アマゾンは 田舎に光を 差し込んだ―『イナカ川柳』から見える現代日本の田舎のリアル

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/15

 テレビ情報誌『TV Bros.』の読者投稿欄において、ひっそりと、そして今なお続いている川柳コーナーがついに単行本化! 10年の間に寄せられた作品の中から、今の田舎のリアルな側面を伝える傑作400句をまとめた『イナカ川柳 農作業 しなくてよいは ウソだった』が、2016年4月12日(火)に発売された。

駅前のシャッター街と、街道沿いの巨大ショッピングモールに囲まれて、21世紀の日本の田舎はどこも似たような景色が広がっている。

「ラブホテル 潰れた後に ケアハウス」
「気がつけば 隣の嫁は 外国人」
「アマゾンは 田舎に光を 差し込んだ」

 そんな事態をなんとか打開したい商店街と行政は何とか生き残りのために日々奮闘。

「二代目が 採算度外視 リニューアル」
「傷痕が 残っただけの 町おこし」

 しかし、これは後の東京の姿でもある、という学者もいるようだ。確かに人がまだいる東京は、駅前商店街が元気で、仕事帰りにふらっと書店に立ち寄って本を買うことができる。基本的に「サザエさん」の世界観とあまり変わっていない。しかし一方で、田舎はというと前世紀には存在しなかった光景が広がっている。

「村中を ソーラーパネルが 埋め尽くす」

 これは見方によっては、東京よりも田舎のほうが新しく見える……ような気もする。しかし、相変わらずな田舎の姿もまだまだ健在なようだ。

「プロポーズ 3日後みんなが 知っていた」
「『軽トラに 載らねぇものは 無ぇ』と叔父」

 田舎の変わった光景と、永遠に変わらない光景、その潮目を舞台にした豊穣の川柳本、それが『イナカ川柳』だ。最後に一句。

「用水路 プカプカ浮かぶ クロックス」

 イナカでしかみたことねーし!!!

■『イナカ川柳 農作業 しなくてよいは ウソだった
編:TV Bros.編集部
価格:1,200円(+税)
発売日:2016年4月12日(火)
出版社:文藝春秋

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