こんな街に家を買ってはいけない! マイホームの土地は人気や新しさに惑わされるな! 土地選びで抑えておきたい6つのポイント

社会

2016/11/21

『こんな街に「家」を買ってはいけない』(牧野知弘/KADOKAWA)

 庶民にとって、マイホームを持つというのは一世一代の夢である。相場として数千万円ともなればけっして安い買い物ではない。いったん決断をしてからも、数十年とローンが続くことも多いため、やはり後悔したくないものだ。

 では、どんな場所に住まいを設ければよいのか。戸建てにまつわる社会的背景を解説、さらに、そのヒントを与えてくれるのが、11月10日に発売された『こんな街に「家」を買ってはいけない』(牧野知弘/KADOKAWA)だ(電子書籍も同時配信)今回は、その中から「人気が上昇し続ける住宅地の条件」を紹介していきたい。

人気や新しさに惑わされず「知名度」で土地を選ぶ

 住まい選びでよく話題に挙げられるのが「住みたい街」である。しかし、このような調査で上位になる街は、若い人たちから「ちょっと小洒落たレストランや雑貨屋さん、ブティックやケーキ屋さんがある」といった理由で選ばれる傾向が多いと著者はいう。

 一方、都内各地やその周辺では、マンションの建設も進んでいる。多くは海外移転した工場の跡地などを利用しているというが、一つの場所に多くの人が住む状況では「とにかくどこに行っても人ばかり。朝の通勤時の混雑は半端ない」と嘆く声もあるそうだ。

 では、何を基準に選べばよいのか。著者は「高い知名度のある土地」だと解説する。人の住む土地には長い歴史があり、知名度がある場所は時代を経て安心や安全が認められた証拠でもある。したがって、新しさや人気に惑わされなずに住む場所を選ぶ必要があるという。

親子代々住みたい人は “6つ”のポイントを抑えるべき

 郊外を見ると、戸建て住宅が相次いで建ち並ぶケースも目立つ。多くはベッドタウンとして、都市への通勤や通学を目的とした場合が多い。

 ただ、昨今の空き家問題にもつながるが、このような住宅が「一代限りでその役割を終えてしまう可能性が高い」と著者は主張する。時期が来れば親元へ子どもたちが帰ってくる時代とは異なり、現代は、親子それぞれが住居を構えるケースも少なくない。例えば、首都圏では以下のような物件がその条件に当てはまる可能性が高いという。

1)東京までの通勤時間が1時間を超える(地方であれば30分)
2)1970年代から1980年代にかけて開発された
3)駅からバスを使う必要がある
4)丘陵地などにあり、住宅地内の傾斜がきつい
5)近隣に観光地など人の集まる場所がない
6)地域内にめぼしい産業がない

 歴史をさかのぼると、人口増加に伴いニュータウンの建設が進んだ時代もあった。そして、磐石な地場産業がある土地では、親子代々同じ仕事へ就く習慣もみられた。しかし、それぞれの生活様式が変化した昨今は、かつてのような親子間の関係性も失われつつある。そのためもし、マイホームを子どもにも継いで欲しいと願うならば、上記のポイントを抑える必要もある。

人の出入りにより“新陳代謝”のある場所が本当に価値ある街

 マイホームか賃貸か。選び方は人それぞれだが、晩年を思い浮かべると、年齢を重ねるにつれて家を借りづらくなるケースもある。少子高齢化社会の今では、家主が孤独死などを危惧する声もあるという。

 では、持ち家を考える場合に抑えるべきポイントは何か。著者は街の「新陳代謝」をキーワードに挙げる。

 新陳代謝とは、いうなれば「人の出入り」があるということ。著者はその理想を「転出してく人がある一方で続々と新しい人たちが転入してくる」街だとしている。転出者が多いというのは一見、よくないことも思える。しかし、真に繁栄している街は、転出者がいる一方で、それを補うほどの転入者も数多くみられるという。

 それぞれの生活を支える住まい。理想や好みは多岐にわたり、現実をふまえると、誰にとってもふさわしい場所を選ぶのはなかなか難しい。その中でもマイホームは、一生を共にする決断を迫られるものでもある。何を基準に考えるべきか。迷いに迷っている人たちにとって、本書はきっと背中を押してくれるはずだ。

文=カネコシュウヘイ