「40代、プロ経験なし、資金なし」で食堂開店!? 渋谷「なぎ食堂」店主から学ぶDIYな生き方

暮らし

公開日:2016/11/21

 フリーターから、なりゆきで音楽誌編集者へ転身。そして40代、プロ経験なしでベジタリアン食堂を立ち上げた、渋谷「なぎ食堂」店主の初エッセイ『渋谷のすみっこでベジ食堂』が2016年12月10日(土)に発売される。

 カフェや居酒屋などの飲食店が立ち並ぶ激戦地、渋谷。駅周辺の喧騒をよそに、ひっそりと個店が立ち並ぶ“渋谷のすみっこ”鶯谷町。「なぎ食堂」はそんな街の片隅に、2007年12月にオープン。20人も入ればいっぱいになってしまう小さなお店ながら、動物性食材を一切使わない「ベジ&ヴィーガン」の食事を提供する場として、10年近くこの地に根を張り、生き残ってきた。

 決してオシャレではないものの、店内はインディーロックが流れる、まるで友達の家のような生活感漂うスペース。ベジ系のお店ながら客層は女性ばかりでなく、中年から年配の男性も多い。そして、ベジタリアンが多い在日外国人や外国人ツーリストの姿も多くみられる。

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 こんなちょっとユニークなお店を仲間とともに立ち上げたのが著者の小田晶房。元々は編集者だった彼は、「飲食店を始めたい」というわけでもなく、「場を作りたい」一心で開店を決意した。

 40代、プロ経験なし、資金も少なめ…。そんな悪条件の中「Do It Yourself=自分でやる!」をスローガンに、開店準備からメニューづくり、スタッフの采配、破損部分の修理、取材の対応などに突撃していく―。

 開店から9年目を迎える2016年冬、著者は同書でここまでの顛末と思いを綴る。先が見えない、生き方に迷っている、自分で何かを立ち上げたい…そんな思いを抱える人にこそ必要な一冊だ。

小田晶房
1967年京都府生まれ。音楽誌の編集者を経てフリーのライター兼編集者に。その後、福田教雄とのインディーマガジン『map』の発行、二階堂和美やトクマルシューゴを輩出したインディーレーベル、compare notesの運営、海外アーティストの招聘業務などを行う。2007年12月、渋谷の鶯谷町に、素材に肉や魚を用いないベジタリアン食を提供する「なぎ食堂」をオープン。ボリュームがあり、エスニックテイストも取り入れたしっかりした味付けのメニューで女性向けのベジカフェ等とは一線を画す店づくりを展開し、話題となる。2016年には武蔵小山に二店舗目を開店。二児の子育てと仕事に追われるシングルファーザーでもある。著書に『なぎ食堂のベジタブル・レシピ』『野菜角打 なぎ食堂のベジおつまみ』がある。

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