「24歳処女は重いですか?」男女の深刻な”恋愛未満”の悩みに答える、ラブホの上野さん独占インタビュー【前編】

恋愛・結婚

2016/12/8

 恋愛に悩む男女に絶大な人気でツイッターフォロワー約20万人を持つ「上野さん」をご存知だろうか?原案を担当している漫画『ラブホの上野さん』(上野:著/KADOKAWA)も人気でWEBマガジン「eロマンスJP」の連載を書籍化した恋愛し難所『ラブホの上野さんの恋愛相談』も売れ行き好調。11月30日には恋愛指南書の続編『ラブホの上野さんの恋愛相談2』も発売され、漫画の実写版ドラマも12月から放映される。失恋、復縁、不倫、非モテなどの男女関係のどんな悩みにも、紳士的かつ論理的アドバイスでズバッと回答する上野さんはどういう人物なのか?独占インタビューをお届けする。

――恋愛相談の内容はどういうものが多いのですか?またそれはなぜだと思いますか?

上野:不倫や片思いに関する相談も多いですが、圧倒的に多いのは復縁に関する悩みでしょう。この悩みが多いのは私が考えるに、「望んでいる結論が得られないから」という理由があるのではないかと思います。例えば「好きな人がいる」という悩みを身近な人に相談した場合、意見はさまざまであるものの基本的には「応援」してもらえることでしょう。
相談をする方は基本的に「応援」が欲しいのですが「好きな人がいる」という悩みに対しての「応援して欲しい欲」は身近なところでそれなりに満たされるということになります。しかし「復縁」は身近な人に相談すればまず間違いなく反対されるので「応援して欲しい欲」が身近なところで満たされません。そのため私のところに集まるのではないでしょうか?

――恋愛がうまくいかない人に何か共通点はありますか?

上野:恋愛がうまくいってない方の話を聞くと0勝100敗みたいな方はほとんどおらず、圧倒的に0勝0敗の方が多いように感じます。上手くいくという話の前に、そもそも戦っていないのですから上手くいくはずも御座いません。
もちろん行動を起こせば失敗することも御座いますが、仮に失敗をしても恋愛能力がどんどん上がっていくので、行動をされる方は「恋愛がうまくいかない」とあまり悩んでいないように感じます。

――上野さんの回答は、相談内容に対するアドバイスに入る前に話が脱線したり、比喩を多用するケースが目立ちます。第1巻では「24歳で処女は重いでしょうか?」という相談に「プレゼント」の話を、「彼と復縁したい」という相談に「ギャンブル」の話を、「出会いが少ない」という相談に「デパートの化粧品売り場」の話を例にとってアドバイスしています。本題以外の話で比喩を多用するのはなぜなのでしょうか?

上野:例えば「24歳処女は重いですか?」という質問を面と向かってされた場合は、特に比喩を使わずに回答すると思います。しかし、私はインターネットで不特定多数に向けてこの回答を公開しているのですから、「相談者様だけが喜ぶような回答」をしてはいけないと思っております。読んだ方すべてとまでは言いませんが、出来る限り多くの人に実りある回答をするべきだと思っているのです。
すると先ほどの質問の場合「処女の話だけ」ではいけないと言わざるを得ません。何故ならそれでは「処女の方」以外の読者にほとんど有益ではなくなるからです。ですが例えばプレゼントの話をすれば「処女の話は全然関係なかったけど、プレゼントの話は役に立ったなぁ」と感じる方がいらっしゃるかもしれません。そういう風にできる限り、誰が読んでも意味のある文章になることを考えた結果、比喩を多用するようになりました。

――比喩のほかにも、ゲーム、受験、インドネシア、刑法、催眠術など一見相談内容とは無関係の雑学をわかりやすく例に出して、脱線しながら回答しているところが面白いですし為になります。普段からかなり勉強しているのでしょうか?

上野:質問をいただいてから勉強することの方が圧倒的に多いです。1つの相談内容についてコラムを書くために最低1~2冊、多い時では5冊くらい本を読んでから回答させて頂くことが多いです。

――「私の運命の人はどこにいるんでしょうか?」「彼氏に振られたから死にたい」といった答えにくい相談もありますが、「なるほど、そういうことか」と膝を打ちたくなる名回答を返していらっしゃると思いました。難しい相談にこたえるときの心得みたいなものはあるのでしょうか?

上野:「やはり、相手の立場に立って考えるということが重要でしょう。相手が何を考え、何を望んでいるのか、それを真剣に考えることが重要です」というような、毒にも薬にもならないような回答をしないように心がけております。異論がある方もいらっしゃるかとは思いますが「薬が作れないのならば、せめて毒薬を」と考えていると言ったところでしょうか。

――『ラブホの上野さんの恋愛相談2』のまえがきで、「嘘か真実かなんていうことは二の次に考えて書かせていただきました」と強調しています。そのことについてあえて説明しようと思った理由を教えてください。

上野:赤信号を渡るのは確かに悪いことですが、そんなに怒られることでもないと私は思います。しかし、最近は良くも悪くも「ルールは死んでも守られなければならない」「ルールを一つでも破った人間は殺してもいい」というような価値観を持った方が少なくないように感じます。そういう方というのは、例えば新約聖書に一文字脱字があっただけで「あの本は脱字があるクズな本」と言い出しかねない。本書には明確に論理破綻しているところもありますが、その論理破綻に気が付かず人が救われればそれでいい、という思いを伝えたかったのです。【後編】へつづく。

取材・文=編集部