『キングダム』原泰久「これは最高の一巻だ」 北方謙三の「大水滸伝」最新シリーズ『岳飛伝』がついに文庫化!

文芸・カルチャー

2016/12/6

 北方謙三による「大水滸伝」最新シリーズ、『岳飛伝』がついに文庫化! 『岳飛伝 第1巻 三霊の章』が2016年11月18日(金)に発売された。シリーズ前作となる『水滸伝』『楊令伝』から読み続けているファンは「遂にか…! もう一度水滸伝から読み返さないと」「水滸伝も楊令伝も何度も読み返してたから準備は万端です!」「な、なんと! 待ちに待った『岳飛伝』文庫化スタートしてた! 早速読みます!」と、新シリーズを迎える準備は万端のようだ。

岳飛伝』(北方謙三/集英社)

「大水滸伝」シリーズの物語の始まりは、「替天行道」という1冊の書。国が乱れ、人々が疲弊していた中国・北宋末期に、宋江という男が天下を糺す意志を込めて書いた檄文だった。やがて「替天行道」の文字がなびく旗のもと、その志に賛同する男たちが集結。梁山泊を叛乱の拠点にした苛烈で果てしない戦いは、若き楊令に託され、さらには、武人・岳飛へと引き継がれる。

 作家・北方謙三の想像力は、中華を飛び出し、西域から海を越えて日本へ、密林を突き抜けはるか南方にまで広がっていく。17年の年月をかけ壮大なスケールで展開する「大水滸伝」シリーズは、中国古典英雄譚に新たな命を吹き込んだ『水滸伝』から始まり、夢破れし後、人々の想いを受け継いだカリスマリーダー・楊令を描いた『楊令伝』に続く。

 そして、シリーズ最新作『岳飛伝』は、中国随一の英雄・岳飛を、リアリティあふれる人間像に再構築。武人の誇り、人としての信義、それぞれの生と死に決着をつける、人生の物語が描かれている。

 この度、『岳飛伝』文庫刊行開始を記念して、北方からはこんなメッセージが送られている。

人が生きる悲しみや喜び。それを登場人物ひとりひとりに託しました。彼らがどこかで、読む人の気持と重なってくれて、わずかでも救いになれば、小説家として本望です。叫びがあり、怒声があり、そして祈りがあります。

北方謙三

 また第1巻の解説を手掛けた、大人気漫画『キングダム』の作者・原泰久はこう語る。

僕はすぐに心を掴まれた。全読者の言葉を代弁したい。これは最高の一巻だ
原泰久

 

 最後に、「大水滸伝」シリーズの魅力を担っているともいえる、個性豊かなキャラクターたちの名セリフで本作を振り返るとしよう。

宋江
「志は、難しい言葉の中にあるのではない。おまえのやることの中にある」『水滸伝』7巻

林冲
「女ひとり救えなくて、なんの志か。なんの夢か。」『水滸伝』9巻

楊令
「帝など、国には要らないのだ。苦しみや悲しみがあっても、民のために国があれば、民は救われる。それこそが、光だ」『楊令伝』9巻

岳飛
(岳飛に父を殺された張朔に酒を注ぎながら)
「生きていれば、こうやって酒を飲みたい。俺の人生には、そういう男が何人かいた。嬉しいな。その中のひとりの男の息子と、酒を飲めるのか」『岳飛伝』7巻

 苛烈な戦いの中で死んでいった者、残された者。彼らの発した鮮烈なる言葉の数々に心を打たれた読者も多いことだろう。

 毎月1冊ずつ発売される『岳飛伝』。『岳飛伝 第2巻 飛流の章』は12月16日(金)に発売予定。「大水滸伝」シリーズの公式サイトには、同シリーズに登場する熱き好漢たちと、北方が語らう書き下ろしショートストーリー“やつら”が不定期連載中だ。