「小物」と思われない「飲み会トラブル」対応術

暮らし

公開日:2017/1/4


 会社内や得意先との飲み会に憂鬱さを感じる人が最近多いようです。たしかに気を使いますし、下手なことをすれば説教がはじまってしまうかもしれないし……と不都合なことも多いかもしれません。

 でも、一流の成功者たちは飲み会でも仕事と同じようにスマートに振る舞うことができます。なぜなら、飲み会でのコミュニケーションやトラブル対応は、そのまま仕事のやり方にもつながっているからです。

「飲み会の振る舞い方=仕事の振る舞い方」であるならば、仕事ができる人になるためには、飲み会をまず制する必要があるはず。

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 ここでは、元・銀座ナンバーワンホステスの檀れみさんが執筆した『結果を出す人の「飲み方」の流儀69』から、「飲み会が苦手な人」でもすぐにできるトラブル対応術をご紹介します。

飲み会では、最初から完璧に振る舞おうと思わないこと

 もし、これを読んでいるあなたが、飲み会が苦手ならば、一度このように考えてみて下さい。

 飲み会は自分を魅力的に見せる場である。そして、そこでは完璧な姿など求められていない。

 銀座の高級クラブでトップの売れっ子ホステスとして働き、さまざまなビジネスパーソンを見てきた檀れみさんは、著書『結果を出す人の「飲み方」の流儀69』で、男は酒の席での振る舞いですべてが分かってしまうと言います。

「コミュニケーション力」「雑談力」「リーダーシップ」「トラブル対応」…これらの仕事に通じる力が、そっくりそのまま出てしまう場が飲み会なのです。

 でも、なにも最初から完璧な振る舞いができるようになれと言っているわけではありません。

 檀さんは本書の冒頭で次のように述べています。

人は、完璧さよりも、“可能性を感じた瞬間”に惹きつけられるのです。完璧こそ素晴らしい! と思っているようだと、なかなか人を魅了できません。
『結果を出す人の「飲み方」の流儀69』4ページより

 完璧でなくてもいい。これだけで少し肩の荷が下りたのではないでしょうか。また、次のようにも述べています。

私たちはつい、自分はもう大人なので完成されていなければならないと思ってしまう。だからこそ、完璧と思われる鎧をまず着ようとし、その結果、つまらない酒席となってしまうのです。
5ページより

 この檀さんの指摘に、ハッとする人は多いはずです。

 酒の席は、あなたの伸びシロを見せる場。トラブルなんて上等! そのくらいの意識を持って飛び込めばいいのです。

なかなか食べ物が運ばれてこない…。クレームではない対処法

 でも、実際にどういう風に振る舞えば、自分を魅力的に見せることができるのでしょうか。

 ここで、今日から実践できる、ちょっとしたトラブル対応術をお教えしましょう。

 注文をしたけれど、なかなか食べ物が運ばれてこない…。席全体にちょっとしたイライラが募りはじめて…という「頼んだ物がなかなか来ない」場合。

 このとき、店員さんを呼び付けて「すみません、料理来ないんですけど、まだですか?」とクレームっぽく言ってしまっているようであれば、あなたはこの先、一流にはなれないかもしれません。

 檀さんが教える「正解」は次の通りです。

頼んだ物が来ないときは、まずお店の人を呼び、「次の料理は、あとどのくらいかかりますか?」とふつうに聞いてみる。そのとき、「じつは僕、お恥ずかしながら、お腹がペコペコで」と、子どもみたいな理由をつけ加える。クレームじゃなくて、ヘルプを求めるのです。
107ページより

 ポイントは、最後の「クレームではなくヘルプ」です。人間は、ストレートに「困っています」という声をかけられると、「見捨ててしまうと、極悪人のレッテルを貼られるのではないか」という図式が浮かび、とりあえず動いてしまうのだそうです。

 こうすることで、誰の気分も害さず(ときに笑いも取りながら)、遅いことを伝えることができます。

 また、遅れて運ばれてきた料理が頼んだものと違っていた! という「居酒屋あるある」に出くわしたときも、「ちょっと、違うんですけど!」とクレームのようなことを言わないこと。

 なぜなら、ここはあなたの寛大さをアピールする大チャンスだからです。「お料理も出会いですから」と言って快く引き受け、お店側には「大丈夫ですよ」「気にしないで下さい」と声をかけましょう。

相手の服にお酒をこぼしてシミを… さてどうする!?

 もう一つ、知っておきたいのが「粗相」の対応です。

 具体的には、お酒をこぼしてしまった場面。グラスやジョッキがゴロンと転がり、飲み物がテーブルや床、そして座っていた人の服に広がったその瞬間、「あっ、やばい」「やらかした?」「どーするの、これ」といった気まずい空気が流れるものです。

 粗相は仕方ないにしても、こぼした側が落ち込んでしまっては、楽しい飲み会も台無しになります。こぼした側、こぼされた側の間に流れる微妙な空気は、そう耐えられるものではありません。

 では、どうすればいいのか。檀さんは次のように述べます。

「すみません!!」と手を振りながら、ウェイターを大きな声で呼ぶ。
「炭酸水と、おしぼり10本と、あと乾いたタオルください!!! 大至急!」
どうせサムい空気なら、緊急時の緊迫したものに変えてしまいましょう。こうしてこぼされた人の服のシミに、ウェイター(店側)が自分と一丸となって対処するよう仕向けるのです。
126ページより

 ちなみに、炭酸水はシミ抜きに効果的で、シミのついた服の下に乾いたタオルを入れ込み、シミの上から炭酸水を少量ずつ流し、そのつどおしぼりでトントントンと叩いていくと、だんだんと取れていきます。

 ところが、檀さんはそれだけでは手をゆるめません。

 とにかく叩く。ひたすら叩く。相手が「もういいよ~」と言ってくれるまで叩く。

 そのときは、もうこぼしたことがたいしたことではないと思われているはずです。

 叩いた回数は誠意をあらわします。誠意が見えれば人は怒りません。少し派手な方法かもしれませんが、それが「神対応」となって相手の心の中に残るのです。

忘年会をきっかけに2017年スタートダッシュをきろう

 飲み会は苦手意識を持つような場ではなく、本来はもっと楽しい場であるはずです。

 そして、普段の仕事では見せられない自分の一面を相手に見てもらうことができる重要な場でもあります。

『結果を出す人の「飲み方」の流儀69』を読んで、飲み会での振る舞い方を学び、実践してみてはいかがでしょうか。2017年にスタートダッシュをきれるかもしれませんよ?