すばらしき「鳥瞰イラスト」で歴史のハイライトが一目で分かる! 日本史ファン必見!「真田丸」や「真田郷」の詳細も要チェック!!

文芸・カルチャー

2017/3/4


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『鳥瞰イラストでよみがえる歴史の舞台』(歴史群像編集部:編/学研プラス)

うーわー……、こういう本を見るとテンション上がっちゃうの私だけですか?

だって、「鳥瞰(ちょうかん)」ですよ。「鳥瞰」。この本に出てくる当本人(歴史上の人物)でさえ知り得なかった「上から目線」で合戦が眺められるんですよ。こんな興奮なくないですか?

『鳥瞰イラストでよみがえる歴史の舞台』(歴史群像編集部:編/学研プラス)。日本史における「合戦」や「城」「都市」を「鳥瞰」して、細部まで分かる特殊な地図(のようなもの)と解説が載った教科書のお供にしたい日本史ファンブックです。
※鳥瞰図……(辞典によれば)高所から広く下界を見下ろしたように描いた図のこと。

例えばほら、関ヶ原の戦いで西軍を裏切った小早川秀秋いるじゃないですか。この「鳥瞰」イラストで各武将たちの配置を見てみると、「あ、秀秋そんな位置にいるんだ。そりゃこいつが裏切ったら西軍総崩れするわ。もろ背後から突かれるわけだからさ」と分かるわけですよ。

「鳥瞰」することで、文章だけでは想像しきれなかった「世界」を深く理解することができる。より濃く、当時の合戦や(本書では「城」や「都市」も紹介しているので)暮らしを知ることができるのが、一番の魅力なんです。

本書で長年の疑問がすっきり解決しました。

ずっと不思議だったんです。豊臣秀吉が伏見(京都)と大坂に城を造ったこと。
(※当時は「大阪」ではなく、「大坂」)

秀吉、この2つの城を行ったり来たりしてるけど、「遠くない? 不便じゃない?」と思っていたのです。

研究書には「伏見城と大坂城は船を使い、迅速に往復することができた」といったようなことが書かれていたのですが、伏見城の近くに水辺があるというイメージがなく、「なぜ大坂と船で行き来できたの?」とナゾだったのです。けれど、本書の鳥瞰図を見て納得。
(※イラストは「壬申の乱」の鳥瞰図で、伏見周辺の鳥瞰図があるわけではないのでご注意を!)

伏見城の近くには巨椋池という湖のような大きな池が存在しており、その支流が大坂湾(大坂城の近く)まで流れていたのです。

文章で「川があったから船で移動したんだよ」と書かれていても、具体的に想像ができないこともありますよね。しかも、今回の件は巨椋池が現存しておらず(昭和期に干拓されたそうです)、私は実際に伏見城跡に足を運んだこともあったため、「近くに水辺なんてないぞ?」と不思議だったんです。

……と、まぁ「伏見城の近くに水辺ないじゃないか問題」に食いつく方もそうそういないと思うので、置いときまして、本書ではそんな微細なことが分かるだけではなく、超有名どころの合戦をもれなく網羅しているのでご安心を!

源平合戦「一ノ谷の戦い」(源義経がすごい山の斜面を下って平氏に奇襲をかけたことで有名)や、人気観光地「鎌倉」の鳥瞰図(鶴岡八幡宮と由比ガ浜が若宮大路で一本につながっていることが本当によく分かります)。その他、桶狭間の戦い、川中島の戦い。あとは安土城周辺の鳥瞰図や安土城内部のイラストなんかも載っています。

時代は古代から現代まで。戦国時代のイラストが多いようにも思いますが、鳥羽・伏見の戦い、五稜郭の戦い、旅順要塞(日露戦争)。新選組ファンには嬉しい池田屋事件の鳥瞰図も!

おススメなのは昨年の大河ドラマで一躍有名になった真田幸村関係の鳥瞰イラスト。真田丸の合戦の様子も描かれていますし、真田一族が治めていた信州(長野)真田郷の鳥瞰図もあります。

真田郷の鳥瞰図では、真田氏が時代を経るごとに「山深い城」から「平地の城」に本拠地を変化させていることがよく分かります。真田の城で一番有名な「上田城」は平地にあるのです。

なぜ山城から平城に移動したのか。説明すると長くなるので省きますが、「険しい山奥」から平地に移り住んだ真田の人々はどう思っていたのでしょうか。「これで買い物が楽になるわぁ~」とか?(冗談です) 当時の人々の心情を考えていると、妄想が尽きないですね。

「鳥瞰イラスト」――流行語大賞とかになってもいいくらい、個人的おススメのジャンルなので、みなさんも一度手に取ってみてはいかがですか?

文=雨野裾