子どものために欠かせない防災グッズは? 関係省庁に徹底取材して分かった「備え」と「知恵」の最新情報

暮らし

2017/3/6

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    『防災Walker』(KADOKAWA)

 国土は世界の陸地の1%にも満たないのに、世界の地震の10%が起きている有数の地震発生地帯、日本。震度6弱以上の揺れに見舞われる可能性は全国のどこにでもあるといわれている。そこで、東日本大震災や熊本地震の経験を踏まえて更新された防災計画を、関係省庁はじめ各所に徹底取材してまとめたのが『防災Walker』(KADOKAWA)だ。

◆防災グッズは、使い慣れた身近なもので

 第1章の防災のプロと被災ママの声から選んだ115点の防災グッズは、どれも普段から使えてイザという時にも役に立つ身近なものばかり。なぜ必要なのか、その理由からコンパクトに解説されているので説得力がある。

 たとえば子供用の備え。本書によれば、避難所では乳幼児の食事やオムツは支給されにくいという。母乳で育児していても、その母乳がとまってしまうことも少なくない。さらには水不足と厳しい状況が続く。そのため、消毒のいらない使い捨て哺乳瓶やキューブタイプの粉ミルクの備蓄のほか、紙おむつは衣類圧縮袋で小さくして数を用意することなどが勧められている。清潔を保つお尻拭きなど、子供を肌トラブルから守るグッズも夜泣き防止のために必須だそうだ。

 子供は普段から食べ慣れないと被災時には食べられないケースが多いので、備蓄品の回転のためにも定期的に非常食の試食をさせるなどして「経験」を重ねることが大きな備えになるという。公衆電話のかけ方を教えておく、和式トイレを経験させておくなど、経験にもいろいろな種類があることがわかる。

 一方、ご近所との「共助」も大切なポイントで、ふだんから子どもを預け合っていれば、いざという時にお互いの家が「落ち合う場所」になる。そんなご近所や仲間とぜひ一緒に行っておきたい防災体験学習施設は、各都道府県のスポットが紹介されている。

◆もし避難所で生活することになったら

 誤解している人も多いようだが、避難所を運営していくのは被災者自身だ。ボランティアでも自治体でもない。スペースのこと、物資の配給のこと、食事、毎日の掃除当番、プライバシーのこと…。さまざまなことを自分たちで協議・決定して避難所は成り立っていく。お互いにどんなことに気を付ければいいのか、避難所生活の心得も詳しく紹介されていて、熊本地震で注目を浴びた車中泊のリスクについてもまとめられている。

 大規模な地震が発生した時は、国や自治体は人命救助が最優先なので、発災後72時間は自分で自分のいのちを守る必要があるという。

 その時に大切な人を守る知恵が、コミックエッセイをはじめ、豊富な写真や図版で解説されている。家族で話し合うきっかけにぴったりな1冊である。


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