広瀬すず、菅田将暉、宮野真守…豪華キャストでこの夏大注目の映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』。脚本・ 大根仁の書き下ろし原作小説が発売!

文芸・カルチャー

2017/6/15

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(岩井俊二:原作、大根仁:著、角川文庫)

広瀬すず、菅田将暉、宮野真守、松たか子など豪華キャストが声優をつとめる、この夏話題の劇場アニメ『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』。また、アニメをこよなく愛する人ならば、アニメーション制作・シャフト、総監督・新房昭之、キャラクターデザイン・渡辺明夫の組み合わせを聞けば、すぐさま『化物語』を始めとする「物語」シリーズを思い浮かべるであろう。クォリティの高い作画と斬新な演出が話題を呼び、この「ゴールデントライアングル」は世間の注目を集めた。

そしてこの夏、彼らによって生み出される劇場アニメ作品に、再び世の人々の耳目が集中することになる。その作品とは8月18日公開予定の『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』だ。それに先駆け、映画の脚本を担当した大根仁氏による原作小説『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(岩井俊二:原作、大根仁:著、角川文庫)が、6月17日に発売される。

内容を紹介する前に、まずこの作品がどういうものかを解説しておこう。実はこの作品、元々は1993年にフジテレビで放送されたオムニバスドラマ『if もしも』で、岩井俊二氏が脚本と演出を手がけた物語である。この作品は高く評価され、日本映画監督協会新人賞を受賞。さらに再編集の上、1994年に劇場作品として公開されている。今回の劇場アニメ版はこのテレビドラマをもとに、本作の大ファンだという大根仁氏が長編用に新たなアイデアを加えて脚本を執筆している。

さて劇場アニメ映画のストーリーだが、いわゆる「タイムリープもの」である。過去に戻って、もう一度同じ時をやり直すのだ。主人公の島田典道は13歳の中学1年生。夏休みのある日、学校のプールで親友の安曇祐介、そしてクラスメイトの美少女・及川なずなと50m競争をすることになる。結果、なずなが勝利し、典道は祐介にも負けてしまったうえに足にけがをしてしまう。

その日の夕方に行われる花火大会で、「打ち上げ花火は横から見ても丸いかどうか」を確かめるために花火大会を灯台から見ることになった典道たち。しかし、待ち合わせの時間ギリギリになって祐介がなずなから花火大会に誘われていることを、彼の口から聞かされる。足のけがを治すついでに祐介の自宅である病院に立ち寄ると、そこには祐介を待つなずながいた。「祐介は来ない」と伝える典道だったが、病院からの帰途、なずなから「競争で勝ったほうを誘おうと思っていた」と打ち明けられる。そして「島田君が勝つと思ってた」とも──。

登場人物たちにはそれぞれ事情がある。典道と祐介はなずなに淡い想いを抱いていたり、なずなは母親の再婚、引越しという現実から逃げ出すため家出を計画していたりと、それぞれの事情が絡み合っていく。そして母親に連れ戻されるなずなに助けを求められても何もできなかった典道は、強く叫ぶのだ。「もしもあの時、オレが勝っていたら……」と。その時、なずなの持っていた不思議な玉により、時間が戻った典道は、今度は正しい選択をしようと行動するのだった。

果たしてなずなと典道は、求める答えにたどり着けるのか。もちろん映画で確認するのもよいが、原作のドラマから観るのもアリだろう。はたまたは小説から読んでも、受ける印象は違ってくるはず。さて、読者諸氏は何から見るか──?

文=木谷誠

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