多くの有名米国企業で採用された、人間関係の極意。人を動かす原則とは

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公開日:2018/1/10

 円満な人間関係の築き方を紹介する『人を動かす原則』が、2017年12月14日(木)に発売された。

 同書は、伝え方や話し方といった方法だけでなく、人間の本性の理解にもとづく人間関係の技術を紹介する一冊。家族や友人、同僚、取引先との人間関係から、チーム運営や組織・コミュニティ運営まで幅広く応用できる知識を伝授していく。

 誰もが一度は「自分の自尊心を満たしたい」と思ったことがあるだろう。自分の自尊心がある程度満たされた時に初めて自分のことを忘れ、他のことに意識を向ける余裕が生まれる。大切なのは、人間の本性に関する以下の4つの真実を心に銘じること。

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1:人はみな自分本位である。
2:人はみな他のなによりも自分に興味がある。
3:人はみな自分が重要な存在であると感じたがっている。
4:人はみな承認欲求を満たすために他人に認めてほしいと思っている。

 つまり、他人に対して友好的で寛容な精神を発揮することができるのは「自分を好きになることができた人たちだけ」ということ。同書では、周囲の人をひきつける“3つの方法”も紹介。友人や顧客を自然に惹きつける人は誰の周りにもいて、彼らはすべての人に共通する基本的な願望を満たす“3つの方法”を熟知している。以下ではその方法を紹介しよう。

1:相手を受け入れる
 相手を改心させる力を持っている人はいない。しかし、あなたは相手をあるがままに受け入れることによって、「相手が自分を変える力」を与えることができる。相手をあるがままに受け入れ、自分らしく振る舞う自由を与えよう。「好いてほしいなら、完璧になれ」とか「受け入れてほしいなら、自分を変えろ」などと主張してはいけない。相手のあらを探して、その欠点を直すための対策を提示する人は、絶対に友人をつくることができない。相手を受け入れる人は、相手の振る舞いを改善させる大きな影響力を持つ。

2:相手を承認する
 相手を承認することは、よりポジティブなニュアンスの行為であると言える。なぜなら、単に相手の欠点を許容するのを超えて、好きな部分を見つけるという意味だからだ。あなたは相手の中に承認すべきことをつねに見つけだすことができる。それはささいなことかもしれないが、それを承認していることを相手に伝えよう。そうすれば、相手の中に承認していることの数は増えていく。あなたの承認を感じ取れば、相手は行動パターンを徐々に変えて、他のことも承認してもらおうとする。ほめてもらうと、人間は成長するものなのだ。

3:相手を高く評価する
 相手が自分にとってどれほど大切な存在であるかを少し考えてみよう。妻、夫、子ども、社長、上司、部下、顧客などなど。その人たちの価値を心の中で確認し、自分がその人たちを大切に思っていることを伝える方法を見つけよう。その方法をいくつか紹介する。「相手を待たせない」「すぐに会えないなら、相手の存在を確認していることを伝える」「相手に感謝の意を表する」「相手を特別な存在として扱う」。最後の項目は重要なので補足する必要がある。ありきたりの扱いをすることほど、相手の自尊心を傷つけるものはない。誰もが自分の価値を認めてほしいと思っていることを肝に銘じる必要がある。

 GE、メリルリンチ、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど、米国大企業の研修にも使われる“人間関係のバイブル”に目を通してみてはいかがだろうか?

レス・ギブリン
アメリカの経営コンサルタント。1912年、アイオワ州に生まれる。第二次世界大戦にて兵役を務めたのち、1946年に営業職に就く。全米セールスマン賞を受賞。全米屈指の経営コンサルタントとして知られ、主なクライアントにGE(ゼネラル・エレクトリック)、メリル・リンチ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ニューヨーク生命、全米保険外交員協会、PGAゴルフツアーがある。軍隊や企業などの組織で学んだ知恵を凝縮した本書は、古典的名著として全米の多くの読者に今なお読み継がれている。

訳者:弓場隆
翻訳家。主な訳書に『うまくいっている人の考え方 完全版』『人望が集まる人の考え方』『習慣を変えれば人生が変わる』『「人を動かす」ために本当に大切なこと』『一流の人に学ぶ「思考を現実」にする方法』などがある。

※掲載内容は変更になる場合があります。