B級グルメの大本命! 『めしばな刑事タチバナ』人気の秘密

マンガ・アニメ

2012/3/2

 『週刊アサヒ芸能』で連載中の『めしばな刑事タチバナ』(徳間書店)は、1巻発売時からマンガ好きの間で一気に話題に。『このマンガがすごい!2012』オトコ編9位、第1回『週プレ』マンガデミー賞2011で1位、『TV Bros.』ブロスコミックアワード2011グルメマンガ部門1位など、たくさんの賞にランクインした。牛丼、カレー、餃子などなどB級グルメを「語る」のが、なぜこんなにおもしろいのか!? 原作者の坂戸佐兵衛さんに直撃インタビュー。

 「自分の中では、“仕事”というよりも、やりたい表現を好き放題にやらせてもらっているという感覚が強いので、積極的な“マンガ読み”の方や、最前線にいる書店員の方に、作品としていち早く評価していただいたことがまず嬉しいです」と、坂戸さん。

 「旅井(とり)さんの丁寧な作画で仕上がってくるのを、私自身、誰よりも楽しみにしています。特に登場人物が照れているときの、表情や仕草の絶妙な演出が最高に好きですね」

 『めしばな刑事タチバナ』は、食べ物を「食べる」のではなく、「語る」マンガ。原作を書く上で、特に気をつけている点は?

 「味的なうまさとか、料理の詳細を伝えることよりも、食べるときの“実感”のほうを伝えたいなぁ、という意識はあります」

 確かに、その食べ物にありつくまでの心の動きから、口に入れた瞬間の感触まで、語りを聞くだけで、頭の中に「実感」があふれる。しかも登場するのは、おなじみのB級グルメたちばかりで、臨場感は常に最高潮だ。

 「食べ物のチョイスのベースになっているのは、自分の実体験に沿った語りができるかどうか。ごくごく私的なエッセイや批評のような感覚だと思います。ウンチクについてはそれほど重要視していないんですよ。扱う食べ物は原作を書く前にあらためて食べ直すようにしているのですが、長いシリーズになった『カップ焼きそば』の時はあれこれ食べていたら、みるみるうちに自分の体重が増えていって、恐るべし、と思いました(笑)」

 読者のほうも、読み進めるうちにどんどん現実とマンガの世界がリンクしていき、「ここに描いてあるコレ」が食べたくてたまらなくなってくる!

 「読んだ後に、『あれのほうがうまい!』『これがある!』『そんなの食べたことない』『これを食べたことがないなんて今の若いヤツらは!』など、新たな“めしばな”のタネにしていただければ幸いです。あとは……夜中の読み過ぎと食べ過ぎにはくれぐれもご注意を(笑)」

(ダ・ヴィンチ3月号 次にくるマンガランキングより)