代々続く陰陽師姉妹が巨大都市・東京を救う! 連作短編『インナー・シティ・ブルース』

文芸・カルチャー

公開日:2019/3/29

『インナー・シティ・ブルース』(長谷川町蔵/スペースシャワーネットワーク)

 EYESCREAM.jpの人気連載『インナー・シティ・ブルース』(長谷川町蔵/スペースシャワーネットワーク)が単行本化され3月28日(木)に発売された。

 本書は、短編小説9編からなる連作ストーリーで、主人公は陰陽師として先祖代々東京を守ってきた囲間(かこいま)家の姉妹、鴎、楽、雨。東京のいろいろな街で巻き起こる摩訶不思議な出来事を解決に導いていく物語だ。

 描かれる舞台は、渋谷のレコード・ショップや浅草カラーギャング抗争、豊洲タワーマンション、神田明神など。歴史ネタにポップカルチャーの要素を意欲的に盛り込んでいるうえ、1作ごとに青春群像劇やサラリーマンもの、ラブコメ、街歩きなどさまざまな作品スタイルを取り入れた、東京の過去と未来をつなぐエンタテインメント小説だ。どの短編にも驚くような仕掛けがこらされている。

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 2020年に開催される東京オリンピックに向けて、国内外から一層注目を集める街、東京。つねに姿を変え続ける東京の“今”を切り取った本書を手に取り、ぜひあなた自身の目で東京という巨大都市を見つめ直してみてはいかがだろうか。