赤川次郎 嵐・相葉主演の『三毛猫ホームズ』ドラマに「楽しみ」

光文社

2012/4/24

 三毛猫ホームズはギネスブック級の長寿猫である。初登場以来まもなく34年、最新刊の『三毛猫ホームズの夢紀行』はなんとシリーズ第48弾になる。もちろんホームズの若々しい艶やかな毛並みは変わらず、飼主である片山義太郎・晴美の兄妹や、晴美の恋人である石津刑事も健在だ。

今回の作品は、恋愛は恋愛でも、引きこもりの若者が、バーチャルリアリティの世界での恋愛に入り込んでいる。

 「生身の人間との接触ができなくなるということの怖さを、今の若い人を見ていると感じるんですね。女の子と付き合うのは、振られるからいやだとか、傷つくのがいやだとか。振られたり傷ついたりしないと、人間は成長しない。そういう経験を重ねて大人になっていくわけでしょう。なんだかそうした感覚がなくなってますね。直接的な付き合いは避けられるなら避けたい。最初から近寄らないというか、バーチャルですむならそれでいいという。現実の女性と付き合ったら、思い通りには絶対いかないわけです。そういうことにたいして、あまり免疫ができていないような気がします」
 
 人は永久にバーチャルの世界にはいられない。
 「携帯電話をもってる以外は、ほとんどアナログの世界の物語です。基本的にやはり小説は人間関係を描くものだと思います。19世紀の文学で育ってきたからそう思うんですが、べつに時代を書こうとしたわけではなくて、人間関係を作れなくなった人の悲劇を書いたんですね」

 そう、まさに危機一髪という事態に、ホームズが驚くようなことを…これはやはり読んでのお楽しみである。その三毛猫ホームズがテレビドラマ化される。「嵐」の相葉雅紀さんが片山義太郎だ。 赤川は、「三毛猫ホームズシリーズの連続ドラマは初めてなので、大変楽しみにしています」と語る。

 取材・文=山前譲

(ダ・ヴィンチ5月号「『三毛猫ホームズの夢紀行』 赤川次郎」より)