【林直孝×志倉千代丸】 科学アドベンチャーシリーズ最新作『ロボティクス・ノーツ』インタビュー第1弾!!

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更新日:2013/8/13

種子島の空気感とロボット製作の泥臭さ

――ロボティクス・ノーツのシナリオをつくる上でこだわったことはなんでしょうか?

林  まず、今回の作品の舞台である種子島の雰囲気が伝わるようにすることにこだわりましたね。本当は登場人物の日常を描くシーンって、完成する前はもっと少なかったのですが、「種子島のすごくのんびりとした空気感を描き出してほしい」と、社長(志倉千代丸さん)からも提案されて、序盤でかなり追加しましたね。最初の段階でこの作品の空気感をいかに強く出すかというのは重要だったので。

志倉  南の島にいったら「時間がゆっくりだ」とか「世界観が変わる」とかってよく言われるじゃないですか。最初はそんなはずないだろと思って種子島に行ったら、言われていた通り時間がゆっくり流れている感じなんですよ(笑)だから体験版をプレイしてみると、時間がゆっくりしているなーという感覚はすごくあると思います。

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はやし・なおたか
MAGES.(5pb.)所属のシナリオライター。代表作は『STEINS;GATE』『CHAOS;HEAD』『アイテムゲッター』『Lの季節2』『メモリーズオフ#5』『メモリーズオフ~それから~』など。

 

――今回の、ロボティクス・ノーツの注目ポイントはどこでしょうか?

林  前半部はロボットをコツコツと作っていく感じが強いので、例えば、工作好きの人には面白いところだと思います。最初にあったホビーロボットを作っていくという感じが、そのまま巨大ロボット製作につながっていくので、その感じを描き出すために、工作部分はだいぶ勉強して、リアルで、泥臭い構成にしていますね。それが今までの作品にはなかった点じゃないかなと。

――勉強というのは具体的にどのようなことをされたのですか?

林  ホビーロボットを作るための本をドサッと社長から渡されまして、実際にロボットを作っている人の著作やロボット工学の専門書を10冊ほど、かなり読み込みましたね。

志倉  前作の『シュタインズ・ゲート』を製作した時からそうだけど、物理の本なんかを読み込んで、その中から要点としてまとまっているものを僕が選別して「じゃあ、これ読んでおいてね」ってドーンと林に渡す感じで(笑)

林  (志倉さんに)僕に渡してきた本って全部読んでしっかり理解されているんですか?

志倉  もちろん! でも忘れるんだよね……年取るって怖い(笑)それでもロボティクスについての知識はふつうの人たちよりは絶対に知識は豊富だと思います(笑)

林  僕は専門用語だらけで最初読んだ時はさっぱりでした。もともと、文系の人間なので何度も読み返しましたね。

 

しくら・ちよまる
株式会社MAGES.代表取締役社長。会社経営と並行して作詞・作曲、ゲームの企画・原作、店舗プロデュースなどクリエイティブな仕事も手がける。代表作は『カオスヘッド』『シュタインズゲート』、飲食チェーン『王立アフィリア魔法学院』。