SNSの「いいね」に振り回される若者たちのデスゲーム──IWGPシリーズ『七つの試練 池袋ウエストゲートパークXIV』文庫化に反響続出!

文芸・カルチャー

更新日:2020/9/22

※「第5回 レビュアー大賞」対象作品

七つの試練 池袋ウエストゲートパークXIV
『七つの試練 池袋ウエストゲートパークXIV』(石田衣良/文藝春秋)

 累計430万部を超える大人気シリーズの第14弾『七つの試練 池袋ウエストゲートパークXIV』(文藝春秋)が文庫化され、2020年9月2日(水)に発売された。読者からは、「安定の面白さ。いつまでもマコトとタカシの活躍を追っていきたい」「時代は変わるがこの街とキャラは変わらないと実感。相変わらずかっこいい!」といった反響があがっている。

 IWGPこと「池袋ウエストゲートパーク」シリーズは東京・池袋を舞台として、トラブルシューターのマコトが次々と難事件を解決していくミステリー作品。ストリートギャングの“キング”タカシなど、個性的なキャラクターが多く登場するのも作品の魅力。2000年にはTOKIOの長瀬智也が主演を務めたドラマ版が放送され、大きな話題を呼んだ。また、今年10月からは同シリーズを原作としたTVアニメも放送予定されている。

advertisement

 シリーズにはその時々の世相や社会問題が織り込まれているのも大きな特徴。『七つの試練 池袋ウエストゲートパークXIV』の表題作では、SNS上の「いいね」に振り回される若者たちのデスゲームが描かれている。その他にも未成年者との飲酒・淫行でゆすられるイケメン俳優の物語「泥だらけの星」や、出会いカフェに現れる首絞め男をめぐる「鏡のむこうのストラングラー」、高級マンションの最上階に起こる怪奇現象を探る「幽霊ペントハウス」といった物語が収録された。

 また9月3日(木)には、シリーズの最新作で第16弾の単行本『獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパークXVI』も発売。表題作の「獣たちのコロシアム」は“児童虐待動画”を扱ったエピソードだ。

 マコトはある日、テレビディレクターの梅原から「逆隊コロシアム」というサイトに関する依頼を受けることに。そのサイトはダークウェブの深奥にあり、競うように児童虐待動画がアップされているという。虐待によって死んだとニュースで報じられた子どもがサイトの被害者だと気づいたマコトは、タカシや仲間たちと共に巨大なウェブに巣くう獣たちに戦いを挑む──。

 お馴染みのキャラクターたちが繰り広げるストーリーに、ネット上では「愛すべきシリーズの最新刊。最近の作品で一番面白い内容だった!」「今の社会の空気をダイレクトに感じられる。読後はスッキリ爽快な読みごたえ」「今回はゼロワンの活躍がたっぷり見られてとてもうれしかった」といった声が上がっている。

 この機会に既刊を読み直して、IWGPの世界にどっぷり浸ってみるのもいいかもしれない。

淫行をネタにゆすられる人気俳優、「いいね」がほしい若者を煽るデスゲーム…常に現代を映し出すIWGPシリーズ『七つの試練 池袋ウエストゲートパークXIV』
第5回 レビュアー大賞

■「第5回 レビュアー大賞」特設ページ https://bookmeter.com/reviewer_awards/2020