園子温の過激すぎる半生を描いた『非道に生きる』に学びたい!

エンタメ

2012/10/25

 『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』『ヒミズ』などの衝撃作で、賛否両論を巻き起こし、世界からも評価を受けている映画監督、園子温。現在は、原発事故に翻弄される家族を描いた『希望の国』が公開中で、こちらも大きな話題となっている。

 そんな彼のまるで「映画」のような半生が書かれたのが、10月3日に発売された『非道に生きる』(朝日出版社)だ。

 読んでみると、その生き様のなんと過激なことかと驚かされてしまう。と同時に、その生き方は、現代に生きる人々への強烈なメッセージではないかと思わされてしまうのだ。

 たしかに、いまの時代は、「空気を読む」ことが求められていて、閉塞感のようなものが漂っている。そこで今回は、そんなものを突き破るための生き方を、過激な人生を歩んできた園子温の「非道の生き方」を参考に学んでみよう。

 一、周りと同じことをするな!
 子どものころから、さまざまな映画を見てきたという園子温。小学校6年生のとき、「尊敬する人は」というテーマで卒業文集を書くことになる。ほとんどのクラスメイトが「父と母」と書くなか、彼ひとりだけハリウッドの女優、『別離』や『追想』『誰がために鐘は鳴る』で有名な「イングリッド・バーグマン」と書きひんしゅくを買ったらしい。どんなマセガキだよ! と思ってはいけない。それが「非道の生き方」なのである。
 また、同じく小学校のとき、「なんで服を来て学校にいかなきゃいけないんだろう」と思い、フルチンで教室に入ったこともあるらしい。先生の驚きはすさまじいものだったろう。“非道”というよりは“外道”に近いが、これもまた、周りと同じことをしようとしていては生まれてこない発想だ。

 一、性に貪欲であれ!
 小学校の校内新聞で「ただれた女の手記」と題して団地妻の淫らな生活を書いたこともあるらしい園子温。そのため、通知表には「性的異常が見られます」と書かれてしまったのだとか。そりゃそうだ。先生たちも大変だっただろう。と、こう思った方はまだまだ甘い。“非道”になりきれていない。“非道”を志すならば「俺はこんなことを校内新聞で書いてやったのに」と張り合うべきである。

 17歳のときには、童貞を捨てるため、家出をして上京したという。ところが出会った女にホテルで植木バサミをつきつけられ「一緒に死ぬか、私の実家に行って旦那になりすまし生きていくか」と究極の二択を出される。そして女の実家に行き、しばらく旦那になりすまして過ごしたことが書かれているのだが、結局、童貞は捨てられなかったどころか、その出来事がトラウマとなり、しばらくは女性不信になったとか。性に貪欲であると、突き抜けた生き方が向こうから寄ってくるという良い例だろう。草食系にはかなり高すぎるハードルだが……。

 一、自分がおもしろいと思うものを追求すべし!
 他人がおもしろがるものを真似るのが人の常だが、自分が本当におもしろがっていなければ意味がないという園子温。そう、要は、自分がおもしろいと思っていれば、それをとことん追求しても良いのである。周りに合わせる必要なんてないのだ。園子温もこう書いている。「たとえ他の奴がマスターベーションだのナルシストだのいったところで、平気のへいちゃらで自分のおもしろいと思うものだけを追求すること。それが非道の生き方です」。
「非道の生き方」とは、究極の個人主義。自分さえ良ければ、おもしろいと思っていれば、なんだっていいのだ。

 いかがだっただろうか。このように、突き抜けた生き方も教えてくれるこの1冊。日々平凡に生きている人にほど、ぜひ、読んでみてほしい。