腸内細菌「善玉菌」の好物食材をフル活用して、無理なく健康的なダイエットを！

　人と比べてすごく食べるわけではないのに、なぜか痩せない。同じような食事をしていても、痩せている人は痩せている。いったいなぜなのか……。ダイエットしなきゃと思った時、いつもそんな疑問が浮上してくる。これは私だけではなく、多くの人が感じていることだろう。

　そんなことを考えながら様々なダイエット本を読み漁っていたところ、『1000兆匹の腸内細菌を使って10キロ楽にやせる方法 ヨーグルト・ホエイと酢タマネギが効く！』（藤田紘一郎/KADOKAWA）という本を発見した。本書は、酢タマネギ、ホエイ、冷凍キノコ、ニンニク酢、昆布酢の5つを摂取することで腸内細菌のバランスを保ち、無理なく痩せようというもの。

　ダイエットというと、とにかく食事にしても運動にしても「我慢」がつきまとう印象が強いが、何かとやることの多い日常の中、そんなストレスを抱えていられない。何かを我慢している状況は、物事を非常に非効率にしてしまう。だが本書は、そうした我慢のダイエットではなく、食の好みから変えてしまうという方法を推奨している。これはどういうことなのか。

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　本書によると、人の食べ物の好みは、実は1000兆匹はいると言われている腸内細菌たちの多数決によって生まれているという。そしてこの腸内細菌には、体に良い影響を与える「善玉菌」、優勢な方の味方になる「日和見菌」、体に悪影響を及ぼす「悪玉菌」の3種類が存在するとか。このうち悪玉菌が優勢になると、全体の約7割を占める日和見菌が「甘いもの」「炭水化物」を必要以上に欲するようになり、結果さらに不健康になる悪循環に陥ってしまうらしい。

　つまり、そうした悪循環を生まないためには、まず善玉菌を優勢にしてあげる必要がある。そしてこの善玉菌の好物が、上で挙げた酢タマネギ、ホエイ、冷凍キノコ、ニンニク酢、昆布酢などのヘルシー食材。これらを普段の食生活に取り入れることで、腸内細菌のバランスが改善される。すると痩せやすくなり、食の好みも変わって、太る食べ物を過剰に欲しなくなるらしい。ということで早速作ってみた。ちなみに作り方はどれもとても簡単！

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・酢タマネギ……刻んだタマネギに塩をふり、タマネギが浸かるくらいの酢、蜂蜜とともに容器に入れて混ぜる。

・ホエイ……市販のヨーグルトをドリップコーヒーのフィルターに入れてこす。フィルターの下に空き容器を置き、上からラップをかけて冷蔵庫で一晩置くと、容器にホエイがたまる。

・冷凍キノコ……椎茸などのキノコを切ってフリーザーバッグに入れ、冷凍する。

・ニンニク酢……皮をむいたニンニクを酢とともに容器に入れ、黄金色になるまで1カ月ほど置く。

・昆布酢……昆布と酢を容器に入れ、2時間ほど置く。

　これで完成だ。

　ニンニク酢は化学反応の影響で途中驚くほど青くなるが、この青い時期を過ぎると黄金色に変化するらしい。食べごろになるのが待ち遠しい……！

　あれもダメこれもダメとなるとストレスになるが、この5つを中心に取り入れればいいと思えば、「とりあえず」で始めやすい。中でも酢タマネギはアレンジしやすく、使い勝手が抜群。筆者は刻んだ青じそ、ポン酢、ごま油、ラー油と混ぜてドレッシングにしたものを肉や野菜にかけるのがお気に入りだ。これなら無理なく続けられそう。

　ほかにも善玉菌を優勢にするための食材やその仕組み、生活習慣などが分かりやすく紹介されている。食欲に抗えずいつもダイエットが続かない、リバウンドしてばかり……という人は、本書で善玉菌を味方につけて、ストレスフリーな痩せ体質を目指してみては？

調理、文＝月乃雫