伊坂幸太郎『シーソーモンスター』がNetflix実写映画化か!? 超ハードモードの嫁姑バトル小説をマンガで紹介

文芸・カルチャー

PR公開日:2022/11/16

シーソーモンスター
シーソーモンスター』(伊坂幸太郎/中公文庫)

 とある家庭の危険な嫁姑バトルが繰り広げられる、エンターテインメント小説『シーソーモンスター』(伊坂幸太郎/中公文庫)。その文庫版が2022年10月21日に発売、さらにはアン・ハサウェイ主演でNetflix実写映画化のニュースが一部で報じられるなど、改めて注目を浴びているようだ。

 著者の伊坂幸太郎氏といえば、『アヒルと鴨のコインロッカー』や『ゴールデンスランバー』など、数多くの人気作で知られる大人気作家。本稿でご紹介する「シーソーモンスター」は、2019年に中央公論新社の文芸誌『小説BOC』でおこなわれた競作企画から誕生した作品であり、“3つの共通ルールに則って2つの種族の対立構造を描いていく”という制約のもとで、伊坂氏は“嫁姑の対立”を描いた同作を完成させた。……とはいえ作中で描かれているのは、ただの嫁姑バトルではない。

 物語の舞台は、バブルに浮かれる昭和の日本。製薬会社で働く北山直人は、同居している母・セツと妻の宮子の3人暮らしなのだが、とにかく彼女たちは仲が悪い。小競り合いの絶えない嫁と姑、それに気を揉む夫…と、ここまではよくある嫁姑問題に思えるものの、じつは嫁・宮子の正体は元情報員。つまり国家機密組織のスパイであった。

advertisement

 だからこそ姑がどんな難物でもそれなりに付き合えると思っていたのに、なぜかセツとはことごとく相性が悪い。またセツもセツで何か秘密があるようで、“ある疑念”を抱いた宮子はその真相を確かめるために調査を開始する――。

 2019年に単行本が発売された当時から注目を集めていた同書だが、今回の文庫化・映画化を機に初めて手に取ってみた人も多いようだ。現にネット上では「よくある嫁姑バトルがここまでスケール拡大するとは(笑)」「伊坂氏ならではの疾走感がたまらない。紛うことなきベストオブ伊坂作品!」などと、早くも反響が寄せられている。

 また11月9日には、著作『コロナが明けたらしたいこと』で「第12回コミチ漫画大賞」に輝いた漫画家・うえはらけいた氏も、自身のTwitterで『シーソーモンスター』の紹介マンガを投稿。うえはら氏にとって同書が初めての伊坂作品となったようで、読了後の感想については「気づくと200ページがものの一瞬」「まるで4Dシアター…!!」と語っていた。

シーソーモンスター

シーソーモンスター

シーソーモンスター

シーソーモンスター

 本書は2つの中編からなり、「シーソーモンスター」と、近未来を舞台にした「スピンモンスター」が収録されている。時代設定が異なるものの、2作は思わぬ繋がりを見せるので、どちらも必読だ。

 果たして超ハードモードの嫁姑バトルの結末は…。気になる方は、ぜひ一度手に取ってみてほしい。

あわせて読みたい