「すぐ反応しない」「言葉を選ぶ」「整理する」…明日から実践できる「頭のいい人」の考え方と話し方

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公開日:2023/6/23

頭のいい人が話す前に考えていること
頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉/ダイヤモンド社)

「頭のいい人って、何を考えているんだろう?」

 そう思ったことはないだろうか。私はよくある。意見を求められたとき、すぐにあたふたし、的はずれなことを言ってしまう。でも、頭のいい人は的確な意見を分かりやすく伝えている。もともとの頭の作りが違うのだろうか。どうしたら「頭のいい人」になれるだろうか。

 私のように思っている人に朗報だ。「頭のいい人」の考え方を知ることで、誰でも「頭のいい人」になれると『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉/ダイヤモンド社)では教えてくれる。では早速、本書で述べられている、頭のいい人が実践している考え方のコツを3つ紹介しよう。

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頭のいい人は、すぐに反応しない

 映画『アウトレイジ』の北野武監督は、銃を出した人間は死ぬようにしたと語る。感情的になって理性を保てない人は破滅する、暗にそういうメッセージを込めているのだ。これは物騒な例だったが、日常生活にも意外と同じことが言える。

 心理学的に、怒っているときの判断は失敗につながりやすいという。そのため、頭のいい人は、ムッとすることが起きてもすぐ反応しない。「ここで怒鳴り返したらどうなる?」など、自分の行動と相手の反応をいくつか予想して、その中で最良の方法を選ぶ。

 実は、「すぐに反応しない」は怒ったとき以外も有効。どんなことも反射的に反応すると、判断を間違う可能性が高くなる。だからこそ、頭のいい人はどんなときも、すぐ反応せず、考える時間をとるのだ。「行動の前に一旦考える」が、一番大切なコツだと覚えておこう。

頭のいい人は、言葉を慎重に選ぶ

 頭のいい人が行動する前に、具体的にどんなことを考えるのか。その例の一つが、言葉の使い方だ。頭のいい人は「この言葉を使ったら、どう受け取られるか?」を必ず考える。

 例えば、「ゴミ捨て」という言葉。妻は「各部屋のゴミを集めてまとめ、ゴミ捨て場に持っていき、新しいゴミ袋をセットする」という意味で使う。一方、夫は「集められたゴミをゴミ捨て場に持っていく」だけ、という意味で使っているかもしれない。これでは噛み合わずケンカになってしまう。この食い違いを防ぐために、頭のいい人ほど「この言葉は自分の思っている意味でいいのか?」と考えるのだ。そして曖昧なものは確認することも怠らない。

 ビジネスの場であれば「コミュニケーション」が対面だけを指しているか。あるいはメールなどやりとり全般を含めているのかによって受け取り方は変わる。私たちは、ついつい普段から曖昧な言葉を使ってしまっているのだ。自分と相手が同じことを考えていると思ってはいけない。必ず話す前に考えるようにしよう。

頭のいい人は、考えを整理している

 頭のいい人は、相手が何を言いたいか、逆に何を聞きたいか、会話をしながら常に情報を整理して判断している。整理のために重要なポイントは3つ。「事実」「感想」「意見」と分けて考えることだ。

「事実」とは、数字や実際に言われた言葉など、客観的に証明ができること。「感想」は、自分はどう思ったという主観的で、証明できないものだ。「意見」とは、主観的な感想をもとにして、他者も納得できるような根拠を持ち合わせた考え。要するに「データから推測するとこうなりそう」というような考えのことだ。

 これらを分けて捉えると、相手の話が分かりにくいとき、内容を整理しやすくなる。話すときにも、相手の求める回答が出せるようになるはずだ。まずは考えていること、話そうとしていることが、3つのどれに当てはまるのか、意識することから始めてみよう。

 本書の面白いところは、「読み直さなくていい本」を目指して作られたことだ。巻頭付録の「話すたびに頭がよくなるシート」に、本書の大切なポイントをギュッと凝縮。一度全体を読んで、流れを掴んだら、次からはシートを見れば簡単に振り返ることができる。

 シートのポイントを一つでも意識すれば、着実に頭のいい人の考え方が身につくという。どれも知ってさえいれば簡単に意識できることなので、定期的に見直して「頭のいい人」を目指してみよう。

文=冴島友貴

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