僕の彼女は、完全無欠のパーフェクトガール!? “かっこいい”女子高生と少女マンガ家の男子高生の恋物語『僕の彼女はさすがです。』

マンガ

更新日:2023/6/29

僕の彼女はさすがです。
僕の彼女はさすがです。』(いのうえ空/白泉社)

 大好きな人のかっこいい姿や、かわいい一面を垣間見たとき、うれしくて得をした気分になり、天を仰いだ経験がある人もいるはず。その相手が自分の恋人であれば、なおさら喜ばしい瞬間となるでしょう。

 白泉社が運営するマンガアプリ「マンガPark」で連載中の『僕の彼女はさすがです。』(いのうえ空/白泉社)には、毎日、毎秒、愛する恋人の魅力に胸を射抜かれながら過ごす、令和最強の幸せカップルが登場します。そのカップルとは、少女マンガ家の現役男子高校生・能町春雅(はつね)くんと、彼と同じ高校に通う女子高生・貴家(さすが)あやめさんのおふたりです。

僕の彼女はさすがです。 p.10
©いのうえ空/白泉社

僕の彼女はさすがです。 p.11
©いのうえ空/白泉社

 この世に存在する恋人たちの関係は千差万別。春雅&あやめカップルの特徴は、ガールフレンドのあやめさんの“かっこよさ”にあります。あやめさんは、眉目秀麗、運動神経バツグン、成績優秀なパーフェクトガールなのです。

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 朝は、春雅くんと一緒に登校するために能町家に足を運び、彼が起きるまでギターを弾きながら待っていたり、ゲームセンターではプレイしたゲームすべてでハイスコアを叩き出したり、食堂で食事をしているだけで周囲から視線を集めるあやめさん。一方、ボーイフレンドの春雅くんは、運動が苦手で外見もかわいい系なので、完全無欠のあやめさんに胸キュンしながらも「自分とは釣り合わないのでは」なんて、悩みを抱えています。しかし、一読者としてふたりを見てきた筆者は、これほどお似合いのふたりはいない、と感じました。

 体育の授業でのエピソードを例に、ふたりがお似合いな理由をご説明しましょう。

 男女合同の体育の授業で、ランニングをすることになったふたり。あやめさんはその日も、春雅くんの走行ペースに合わせて走ってくれるハンサムぶりを発揮します。

春雅「あ あのさ あのさ あやめさん本当は速いのに良いの? ボクと一緒に走らず 自分のペースで走った方がいいよ」

あやめ「確かに一番を狙うのも嫌いではないですが 今日の勝利のミッションはこうしてあなたとランニングを楽しむ事です。
春雅さんと一緒にゴール出来る その喜びに比べたら、一番など些細な事です」

僕の彼女はさすがです。 p.42
©いのうえ空/白泉社

僕の彼女はさすがです。 p.43
©いのうえ空/白泉社

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©いのうえ空/白泉社

僕の彼女はさすがです。 p.45
©いのうえ空/白泉社

 ヒューーーーー! SO COOLです! あやめさんは常に春雅くんを気遣い、大切に扱ってくれるかっこいいガールフレンド。ありがたいですね。

 では、春雅くんはあやめさんのかっこよさや、やさしさを“当然のこと”として受け入れて、そのまま一緒に走るのかというと、そうではありません。自分と並走する彼女を少し追い抜き、“合わせてもらうだけではダメだ”と、自らを鼓舞するのです。あやめさんは、そんな春雅くんの想いを受け取り、彼の少し前を走って、こう言い放ちます。

「春雅さん 私を意識して下さい 呼吸をマネして ここからは二人の共同作業です」

 足が速い人と一緒に走るとつられて速くなる、なんていいますよね。そのおかげか、春雅くんは人生で初めてクラス内で8位の順位を勝ち取りました。

 同作は、あやめさんだけがかっこいいのではなく、春雅くんも十分かっこいい! 彼自身は気づいていないかもしれませんが、春雅くんも非常に魅力的な少年でした。

 実際、余裕たっぷりに見えるあやめさんも、春雅くんが時折見せる大胆さや、真剣に自分の作品に向き合う姿に、心奪われるシーンが度々登場します。そんな春雅くんに翻弄されて顔を真っ赤に染めるあやめさんも、年相応のかわいい女の子なのです。

 かっこよくてかわいいふたりなら、これから先、どんな荒波も乗り越えられるはず。「大好きな人のためにがんばる少年少女が見たい!」という人におすすめの作品です。

文=とみたまゆり

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