1日3食+間食でも健康的に痩せられる? 糖尿病専門医が教える「血糖値」をコントロールするダイエット法

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更新日:2023/12/12

“血糖値”を制して脂肪を落とす!
“血糖値”を制して脂肪を落とす!: 最新エビデンスと実体験からわかった最強血糖コントロールダイエット』(薗田憲司〈血糖おじさん〉/Gakken)

 糖質制限ダイエットは、ダイエッターには有名なダイエット方法。しかし糖質は炭水化物や甘いものに含まれるため、食べるのが好きな人にとってはかなり難しい方法であるのも事実です。そこで糖質を“制限”するのではなく、“コントロール”しようというのが本書『“血糖値”を制して脂肪を落とす!: 最新エビデンスと実体験からわかった最強血糖コントロールダイエット』(薗田憲司〈血糖おじさん〉/Gakken)です。InstagramやYouTubeで人気を集める著者・血糖おじさんは糖尿病専門医。多くの人に血糖値に関心を持ってもらい、糖尿病の予防につなげてもらいたいという思いで情報発信を行っています。つまり本書のダイエット法はそのまま健康に繋がるもの。そして食べる楽しみを維持した上で行うことができるので、食に楽しみを見出している人にはもってこい! 本記事ではそんな血糖おじさんが伝える糖質=血糖値コントロール法の一部を紹介します。

コントロールするのは3つの要素

 血糖値をコントロールする目的は、血糖値スパイクという血糖値の急上昇を抑えること。血糖値が急上昇すると細胞に糖が送り込まれ、活動で消費されずに余った血糖が脂肪細胞に蓄積されていってしまうのです。また反動で血糖値が下がりすぎ、強い空腹感が生じるため、食べ過ぎの原因にもなります。この血糖値スパイクを防ぐためにコントロールすべきなのが、①量、②時間・食べ順、③メニュー選びの3要素。本書では具体的な数値やグラフを用いて、わかりやすくコントロール法を解説していきます。

量のコントロールは数値で明示!

 量のコントロールをするには、カロリー・糖質・たんぱく質の3つのコントロールが必要であると本書は説明します。そして性別や年齢など各属性別の基本的な一日の消費カロリー、基礎代謝、摂取すべきたんぱく質量などを明示。代表的な食材のたんぱく質量やダイエット中の主食の目安量なども明確に記載されているので、この一冊を読むだけで自分の大まかな食事量を決めることができます。つまり結局食べる量は制限されるわけですが、そこはダイエットならば当たり前。むしろ間食がNGではなく、たんぱく質や果物を食べることが推奨されるなど、食べるのが大好きな人に向いている方法だと感じました。

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一日三食? プチ断食? 一番いい食事サイクルはどれ?

 食べる時間を考える時に気になるのが、「一日で何も食べていない時間を長くする」という考えと「一日三食」の考えどちらが正しいのか、またはどう両立すべきなのか。本書によると、一日の半分、つまり12時間軽い空腹の状態を作ることで脂肪燃焼が始まり、そこから一日3食+間食で3~4時間おきに食べ物を摂取することが、血糖値の下がりすぎを防ぐベストな方法なのだとか。しかし朝は食べられない人、昼食を食べる習慣がない人など多様なライフスタイルがあるのも事実。そこは無理せず「分食」という方法を紹介。科学的なデータに基づいた、無理のないプランが紹介されているので、自分に合ったスタイルを選択できるのも、血糖コントロールの強みと言えます。

 また食べる順番については著者自身が糖質を先に食べた場合と、たんぱく質や食物繊維を先に食べた場合の血糖値を自ら計測。その上で一番おすすめの食べ方を紹介しています。同じものを食べても時間と順番を変えるだけで血糖値の上昇を抑えることができるなら、こちらも食べるのが好きな人にとってはこんなに素晴らしい方法はないと感じました。

ラーメン、お寿司……好きな外食も我慢しない

 ダイエット中でも毎日三食自炊するのは辛いもの。そこで本書ではコンビニご飯、外食の際のメニュー選びのコツを紹介。ラーメンもお寿司も、ちょっとした工夫で血糖値の上昇を抑えながら楽しめる。時々自分の好きなものを食べられることで、長く血糖コントロールを続けることができます。

 本書ではこの他にも、食前食後の運動が血糖値の上昇を抑えるとして、簡単な運動法や人気パーソナルトレーナーへのボディメイクのQ&Aも紹介されています。

 実は筆者自身も食べるのが大好き。だからこそ「いかに効率的かつ無理のない範囲で健康とダイエットを成立させるか」への工夫があらゆる角度から詰まった本書はとてもためになるものばかりでした。

文=原智香

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