長友佑都選手の専属シェフが教える、体を労る“回復めし”とは? 「低糖質高たんぱくなプロテイン餃子」&「罪悪感0のグラタン」を作ってみた

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公開日:2023/11/16

今日もお疲れさま!超回復めし
今日もお疲れさま!超回復めし』(加藤超也/主婦の友社)

 日々の食事が私たちの体を作っている。それはよく言われている話で、少し考えれば「確かにそうだな」と納得できる。しかしだからといって、忙しい中で完璧な食事を作り続けるのはなかなかに難しい。健康的な食生活を長く続けるためには、無理をしない工夫も必要だ。

今日もお疲れさま!超回復めし』(加藤超也/主婦の友社)は、長友佑都選手の専属シェフ・加藤超也氏が教える、疲れ知らずでパワフルな体を手に入れるためのレシピ本。37歳を超えても現役で活躍し続ける長友佑都選手の体力は、いったいどこから生まれているのか。その根幹の一つが、加藤シェフが手掛ける、栄養学に基づいて作られた料理だという。

 加藤シェフが特に意識していることは、主に2つ。「高たんぱく」であることと、魚やオリーブ油、ごま油などの「良脂質」を摂ること。この2つに気を配ることで回復力と持久力が高まり、「体がしゃきっとし、いきいきとしてくる」らしい。これは魅力的……!

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 本書では、作りやすさも配慮されていて、一般の人でも無理なく作れる。また、それぞれに合った必要な栄養が摂れるよう、レシピごとにどんな効果が期待できるのかも解説されている。筆者も常々体力をつけたい、肌の調子を整えたいと感じているので、早速作ってみることにした。

「低糖質高たんぱくなプロテイン餃子」

今日もお疲れさま!超回復めし

 1つめは、餃子の皮を使わずに作る餃子「低糖質高たんぱくなプロテイン餃子」。粗いみじん切りにして塩もみし、水気を切ったキャベツとニラ、豚ひき肉、鶏がらスープの素、醤油、オイスターソース、砂糖、生姜のすりおろしをボウルに入れ、粘りけが出るまでよく混ぜる。あとは半分に切って袋状にした油揚げに詰め、フライパンで焼けば完成。

 餃子の皮を使わずに油揚げで代用することで、糖質をカットでき、さらに油揚げの油分で焼けるため余分な脂質も摂らずに済む。サクッと軽い食感の油揚げとジューシーな肉だねの組み合わせは満足度も高く、成形もラクでいいこと尽くし! 中身をアレンジすれば、バリエーションも作れる。ダイエット中のメニューとしてもとても重宝する一品。

「鶏むね&ブロッコリーの罪なきグラタン」

今日もお疲れさま!超回復めし

 2つめは、たんぱく質豊富な食材がたっぷりの「鶏むね&ブロッコリーの罪なきグラタン」。下準備として、ブロッコリーは小房に分けてレンジにかける。鶏むね肉は皮を取ってそぎ切りにし、塩コショウを振って小麦粉をまぶしておく。フライパンにバターを熱し、切った玉ねぎに塩を一振りして炒め、鶏肉を加えてさらに炒めて、牛乳、小麦粉、鶏がらスープの素をよく混ぜたものを加えてとろみがつくまで混ぜる。あとは耐熱皿に出来上がったホワイトソース、ブロッコリー、ピザ用チーズの順に入れてオーブントースターで焼けば完成。

 ごろっと入った鶏むね肉とブロッコリーが食べごたえをしっかり確保。マカロニは入れず、ホワイトソース以外の糖質と脂質を抑えることで、無理なくおいしくヘルシーなグラタンが楽しめる。パサつきがちな鶏むね肉も、小麦粉をまぶすことでしっとりジューシーに! こうした無理しすぎない工夫が続ける秘訣だな、と思わせる一品に仕上がっていた。

「作りおきでビタミン補給 彩り野菜の焼きびたし」

今日もお疲れさま!超回復めし

 最後は、ビタミンがたっぷり摂れる作りおき「作りおきでビタミン補給 彩り野菜の焼きびたし」。下処理をしたなす、アスパラガス、パプリカをそれぞれカットし、塩を少々振っておく。あとは米油で焼き目がつくまで焼いて、出汁、醤油、みりん、砂糖を混ぜて電子レンジで加熱したものに漬け、冷蔵庫に30分ほど置けば完成。最後に生姜をのせる。

 加熱してから漬け込むことで出汁がしっかりしみ込み、食べるたびにみずみずしく優しい味わいがじゅわっと溢れ出す。作りおきとして保存する際は、生姜も一緒に漬け込んでもおいしかった。なすの抗酸化作用、パプリカに含まれるβ-カロテンの疲労回復効果で、疲れた体をしっかり回復させてくれる。米油は酸化に強く、クセが少ないうえ栄養価も高い。良質な脂質として非常に重宝する。

 どの料理も、特別な手間を増やすことなく、ちょっとした食材の選び方やほんの少しのひと手間で実現できるものばかり。油に関しては、調理の際に新しいものを使うよう心がけるだけでも大きく変わってくる。また、炒める前の野菜に塩を振るだけでも、炒める時間を短縮でき酸化を防げるそうだ。

 本書にはこのほかにも、思わず作ってみたくなる魅力的なレシピが多数掲載されている。一度きりの人生を死ぬまで付き合っていく体だからこそ、日々おいしい食事で労りながら、無理なく大切にしていきたい。

調理、文=月乃雫

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