13年間の挑戦と挫折の末にミュージカル俳優になった夢の叶え方。夢を実現させる「SHOW UP」と「BIG WHY」の考え方とは

文芸・カルチャー

PR公開日:2023/12/4

今日から始めるSHOW UPの習慣 選ばれなかった私のそれでも折れない心の作り方
今日から始めるSHOW UPの習慣 選ばれなかった私のそれでも折れない心の作り方』(由水南/イマジカインフォス)

 スポーツ選手になりたい。パイロットになりたい。起業して自分にしかできない仕事がしたい。

 大切な想い、大切な夢だからこそ一歩踏み出すことは怖い。しかし、踏み出さなければ夢が叶う可能性はゼロ。とりあえず一歩を踏み出して歩いてみよう、というメッセージを送ってくれているのが『今日から始めるSHOW UPの習慣 選ばれなかった私のそれでも折れない心の作り方』(由水南/イマジカインフォス)だ。

 著者はミュージカル俳優の由水南氏。2015年には長年の夢だったブロードウェイデビューを果たしている。「はいはい。才能がある人の話ですか」と思ったアナタ、ちょっと待ってほしい。由水氏は何度も何度も挫折を味わい、13年間もチャレンジを続けた人だ。順風満帆な人生を歩んできたわけではない。

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夢を掴めたのは「SHOW UP」習慣があったから

 由水氏は人生において良い変化が起きたとき、共通して行っていたのが「SHOW UP」だと語っている。SHOW UPとは直訳すると「参加する、現れる、出席する」という意味。これだと分かりにくいが、由水氏はこの言葉の反対の意味は「何も決めず、何もしない」ことと述べている。つまり、「何かを決意して、何か行動を起こす」ことがSHOW UPということだ。

 行動は偉大な一歩でなくてもいい。一歩でなくとも、半歩でも1mmでも動くことで、今を変え、自分が思い描いた夢物語を現実に近づけてくれるのだ。以下、本書で述べられている由水氏が辿ったSHOW UPの軌跡をほんの少しだが紹介しよう。

モチベーションとなるBIG WHYを知る

「英語が話せるようになりたい」。そう思って単語帳や参考書を開く人は多いが、長続きしない。それは、英語を勉強する根本の理由、つまりはBIG WHYが埋もれてしまっているのが原因。

 例えば、英語を話せるようになって、アメリカで働きたい。アメリカ人の彼女がほしい、でも良いだろう。目の前のめんどくさい勉強の先にある、キラキラした未来を想像してワクワクする。それが勉強へのモチベーションとなるのだ。

 今は問題なく英語が話せている由水氏。そんな彼女も高校時代には単語を覚える作業は苦痛だったそう。決して秀才だったわけではなく、我々と同じように苦しい作業は苦しいと感じていたのだ。そして、諦らめてしまう我々と違ったのはBIG WHYを胸に抱いていたこと。SHOW UPを続けるためには欠かせない考え方だろう。

カムバックする練習のすすめ

 失敗は恐ろしい。自分のすべてを否定されているような、身を引き裂かれるような、想いをすることもある。高校生だった由水氏も、数々の留学奨学金プログラムに応募し、何度も不合格通知を受け取っていたそう。その度、私たちと同じようにかなり落ち込んでいた。

 諦めずに挑戦するのは確かに辛かったかもしれない。しかし、由水氏は応募の度に志願理由を聞かれ、自身のBIG WHYが鮮明に色づき始めるのを感じたという。

 ここで気づいたことはボールを的に一回で当てる必要は無いということ。回数制限は無い。ならば、当たるまで続けた方が得だ。また、ボールを投げ続けることで、要領を得てくる。段々と精度が増していけば、その分、成功確率も上がるのだ。

 さらに由水氏はこうも述べている。「綿密に計画を立てても仮説に過ぎない。だったら全身全霊で飛び込む練習をしよう」。

自分の知らない自分だけのルールに気づく

 無事にアメリカ留学を果たした由水氏。紆余曲折あり、演劇学校への入学試験に備えて、世界中からプロを目指して切磋琢磨するダンススタジオでレッスンしていたそう。そのとき、オーディションについて語っていた人から「このオーディション、受けてみたら?」と声を掛けられる。

 結論として、由水氏はオーディションを受けなかった。アメリカに来て1年も経っていない。これから演技学校に入学しようという段階であり、履歴書の書き方も分からない。しかし、そこで由水氏はあることに気づく。そんな自分でもオーディションを受けていいということ。そして、自分自身にリミッターをかけていたことを。

 知らないうちに自分に制限をかける。これは私たちもやってしまっている可能性がおおいにあるだろう。

 死の間際、人は「あのときやっておけば良かった」と後悔する人が多いそうだ。今の自分、そしてアナタは後悔するだろうか。もし、「YES」であるならばSHOW UPしてみよう。一歩、いや半歩からでも。

文=冴島友貴

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