加藤茶の妻がたどり着いた長生きする食事。おいしい「万能氷だし」と「めっちゃウマだしがら」での減塩法とは?【作ってみた】

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更新日:2024/2/7

加藤家の食卓 医師と栄養士の先生に長生きする食事の作り方を習いに行ってきたレシピ集
加藤家の食卓 医師と栄養士の先生に長生きする食事の作り方を習いに行ってきたレシピ集』(加藤綾菜/アスコム)

 健康な体で長生きするためにも、体のことを考えた食生活を送りたい。そう思っていても、やっぱり味の濃いものやこってりしたものはおいしいし魅力的。そうしたおかずとともにごはんを食べる至福にはなかなか抗えないし、薄味なんて味気ない……。

加藤家の食卓 医師と栄養士の先生に長生きする食事の作り方を習いに行ってきたレシピ集』』(加藤綾菜/アスコム)は、そんな筆者のような食の好みを持つ人でも満足できる、おいしい減塩食を提案しているレシピ本。著者は、ザ・ドリフターズの加藤茶さんと結婚したことで話題となった加藤綾菜さん。

加藤綾菜さんは、結婚発表当初ひどいバッシングもあった中で、高齢の夫を支えるべく専門家が揃う「健都(北大阪健康医療都市)」で栄養について学び、「生活習慣病予防アドバイザー」「介護食アドバイザー」など多数の資格を取得。そして料理家の田村つぼみさんにアドバイスをもらいながら、本書の軸となっている「万能氷だし」「めっちゃウマだしがら」にたどり着いたそう。

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「万能氷だし」(P.34~P.35)と「めっちゃウマだしがら」(P.38~P.39)の作り方

 この「万能氷だし」と「めっちゃウマだしがら」は、冷凍や冷蔵で保存できるため作り置きも可能。しかもどちらも一度に作れるスグレモノなのだ。「万能氷だし」には、血液をサラサラにしてくれる玉ねぎ、冷え性を改善してくれる生姜、腸を整えて免疫力を高めてくれる酒かす、筋肉量アップがはかれる鰹節が含まれており、減塩も栄養補給もこれ一つで叶ってしまう。ありがたい。

「万能氷だし」の作り方は、鍋にすりおろした玉ねぎと生姜、水、酒かすを入れて火にかけ、沸騰してから約5分煮る。あとは火を止めて鰹節と醤油を入れ、少し待ってざるで濾すだけ。製氷皿に流し入れ、冷凍して保存する。冷凍庫で2週間ほど保存可能だ。

万能氷だし

 この「万能氷だし」ができたら、だしがらで「めっちゃウマだしがら」を作っていく。作り方は簡単で、「万能氷だし」を作った際のだしがらにエキストラバージンオリーブオイル、フライドガーリック、粗びきこしょう、塩を加えて混ぜるだけ!

だしがら

 オリーブオイルの香りとにんにくのパンチの奥に、だしと酒かすの優しい味わいがふわっと広がる。ごはんに載せたりおにぎりの具として使ったり、スープに少し加えたりと使い方は無限大。冷蔵庫で4~5日、冷凍庫で2週間は保存できる。

「肉汁じゅわ~! 和風おろしハンバーグ」(P.72~P.73)

 せっかく「万能氷だし」と「めっちゃウマだしがら」を作ったので、本書の中から気になった「肉汁じゅわ~! 和風おろしハンバーグ」も作ってみた。

和風ハンバーグ

 ボウルに豚ひき肉とこしょうを入れてこね、解凍した万能氷だし、みじんぎりにした玉ねぎ、パン粉を加えてさらに混ぜる。成形して油をひいたフライパンで焼き、お皿に盛って大根おろしと千切り大葉を混ぜたものをのせ、フライパンに残った肉汁と酢、醤油、万能氷だしをとろみがつくまで煮詰めたものをかけて完成。

 お酢を効かせてしっかり味に仕上げつつも、万能氷だしの奥深い味わいで酸味を程よく和らげバランスの良さを生み出している。大根おろしと大葉の爽やかさとも相性抜群だ。豚ひき肉だけで作ったハンバーグもクセがまったくなく、こうして料理に使うことで改めて万能氷だしの素晴らしさを実感した。

◇◇◇

 こうした「万能氷だし」「めっちゃウマだしがら」の作り方、これらを使ったレシピのほか、塩分に関する知識や認知症の予防方法、満足感を与える味つけのコツ、健康寿命を長く延ばす運動など、欲しい情報が幅広く紹介されているのも本書の魅力。

 結婚当初は何にでも醤油をかけていた加藤茶さんも、この「万能氷だし」と「めっちゃウマだしがら」を使うようになってからそれがなくなったそう。減塩は大事なことだが、その結果味気ない食事になってしまうのはつらい。ただ塩分を減らして薄味を我慢するのではなく、おいしい食事を楽しみつつ健康に配慮できる「加藤家の食卓」の調理法は、きっと多くの人を塩分過多から救ってくれることだろう。

調理・文=月乃雫

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