貯金の方法やゲームでの課金…トラブルになる前に子どもに読ませたい! ゲーム感覚で学べる「お金」の使い方

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PR公開日:2023/12/29

お金の基本が楽しく学べる! お金RPG
お金の基本が楽しく学べる! お金RPG』(あんびるえつこ/Gakken)

 小学1年生の時、お祭りの日に友達に貸した50円がそのまま返ってこなかったことを、未だに覚えている。強いショックを受けた幼い日の私は、母親から「お金は貸したらダメだよ。貸すならば、返ってこないと思わないと」と注意され、それからというものお金を扱うことに慎重になった。そこから何十年の時を経て、大人になり、子どもを持ってから思うのは、我が子にどうやってお金の使い方を教えたらいいのかということだ。成長にはトライアンドエラーも必要なので、少額でもいいから毎月おこづかいを渡してやりくりしてもらうというのも手だろう。しかし、最近では、見えるお金だけではなく、電子マネーなどの見えないお金のやりとりも多いから、笑って済ませられない高額のトラブルもありえるはず。幼い頃の私の、50円の損失だって立派なトラブルだが、あれがもし5万円、50万円だったら……。我が子が失敗する前に、お金との向き合い方を上手に伝えられたらいいのだけれど、何かいい方法はないだろうか。

 そんなことに悩むおうちの人にオススメなのが『お金の基本が楽しく学べる! お金RPG』(あんびるえつこ/Gakken)。ロールプレイングゲームで遊ぶ感覚で、お金の基本を楽しく学ぶことができる1冊だ。

 この本には、テーマごとにお金をどう使うかを問うクイズが収録されている。取り上げられている事例は、教育現場や全国の消費者生活センターなどに寄せられた相談事例をもとにしたものらしい。

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お金の基本が楽しく学べる! お金RPG p.12-13

 たとえば、STAGE 1の問いは、「ゲームを買うお金が足りないとき、どうする?」。「A 親からもらう」「B 目標金額までがまん」「C 仕事をしてお金をもらう」——3つの選択肢のうち、どれかを選んでマンガを読み進めていくと、それぞれの選択肢を選んだ先の展開を体験することができる。そして、選んだ選択肢によって、「しあわせが1あがった!」「やさしさが3あがった!」などのように、結果に合わせたポイントが加わっていく。自分の選択によって、得点が変わってくると思うと、ついドキドキしてしまう。各章12ステージ全ての問題に答えると、ポイント数に応じて、『お金 RPG』の世界のどんなタイプになるかわかる仕組みなのだ。

お金の基本が楽しく学べる! お金RPG p.64-65

 この本には、お金に関する基本が網羅されていると言っても過言ではない。先取り貯金やお小遣い帳の有効性に触れた「お金をどう貯める?」という問いには大人でもハッとさせられるだろうし、「大型連休と普通の土日、旅行するならどっちがお得?」などの賢いお金の使い方が学べる問いや、他人への配慮が必要となる災害時の買い物についての記載まである。現金の使い方などの「見えるお金」に関する題材だけでなく、見えないお金についての記載も充実。キャッシュレス決済の残高管理や、ライブ配信やゲームでの課金、「今なら無料」と謳う有料ゲームのキャンペーンを題材とした問いもある。選択肢ごとのストーリーがマンガで示されているのに加え、各STAGEの末尾には、会話形式でその題材についての解説もなされているから、勉強になる。また、章末には、「BOSS STAGE」として、理解度を問うYes / No チャートも。「お金を使う力」がどれだけ身についたのか、チェックすることもできるのだ。

お金の基本が楽しく学べる! お金RPG p.66-67

 世の中の子どもたちが陥る、お金にまつわるトラブル。その事例ひとつひとつを我が子に理解させるのは困難だろうし、できれば我が子には巻き込まれてほしくないものもあるだろう。だが、この本のように、選択肢によって展開が変わってくるRPGのようなゲーム形式なら、お金に関する問題を、子どもも自分事として捉えることができるのではないだろうか。「こういう状況になったとき、自分なら何を選択する?」を考えながら楽しくクイズに答えていくだけで、自然とお金の基本を知れる。我が子に、お金の使い方を教えたいのならば、その1冊目としてぴったり。この本を読んだ我が子には、お祭りで友達にお金を貸してと言われたときに、正しく判断できる力が備わっているだろう。本書で学んだことは間違いなく、実生活においても役立つに違いない。

文=アサトーミナミ

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