今年の『源氏物語』ブームに備えるならこのマンガ! 1時間で「一気読み」すれば、大河『光る君へ』をより楽しめる

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PR公開日:2024/1/13

まんがで読破 源氏物語
まんがで読破 源氏物語』(紫式部:原作、チーム・バンミカス:漫画/Gakken)

 2024年の大河ドラマ「光る君へ」がついにスタートした。描かれるのは、“世界最古の長編恋愛小説”『源氏物語』を描いた紫式部の人生。その内容は第1話から見ものだった。平安時代中期、京に生を受け、幼い頃から文学の素養を育んできた紫式部こと、まひろ。飼っていた鳥を不注意で逃がした彼女は、川のほとりで、後に藤原道長となる少年・三郎と出会う。その出会いは“小鳥を逃した女児が運命の人と出会う”『源氏物語』の若紫(後の紫の上)を彷彿とさせ、あまりにも劇的。これからまひろと三郎にはどんな運命が待ち受けているのか。この少女がどのように成長し、『源氏物語』を紡ぎあげていくのかと思うと、ワクワクが止まらない。

 今年はそんな「光る君へ」の盛り上がりとともに、『源氏物語』にも注目が集まる一年となりそうだ。実は、「光る君へ」の劇中では、紫式部が執筆する『源氏物語』それ自体は描かれないらしい。だが、「光る君へ」には、まひろと三郎の出会いの場面のように、紫式部の人生に起きた出来事が、のちに作品に関わっていったかもしれないと思わされるように、『源氏物語』を彷彿とさせるシーンがちりばめられているようだ。だから、『源氏物語』を読めば、間違いなく大河ドラマを楽しむことができるだろう。

 では、あなたは『源氏物語』に対して、どんなイメージを抱いているだろうか。『源氏物語』といえば、皇子・光源氏の恋愛遍歴を描き出した作品。その光源氏に対しては、やはり「プレイボーイ」という印象が強いらしい。Gakkenが20~60歳の女性500人を対象に行ったアンケートによれば、光源氏について「モテる」(45.8%)というイメージを抱く人が圧倒的に多かった。「美しい」(26.2%)とイメージする人が多いのと同時に、「不誠実」(21.6%)、「優柔不断」(20.0%)と感じる人も。『源氏物語』は、多彩な女性たちが、光源氏に翻弄されていく物語だから、そう感じるのは当然かもしれない。

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源氏物語

 また、好きなキャラクターについて問えば、さまざまな意見があがる。一番人気は、光源氏の手によって幼少期から“理想の女性”として育てられた「紫の上」(48.0%)と、光源氏の初恋の人「藤壺の宮」(48.0%)。続いて人気なのは、最初の正妻「葵の上」(25.0%)や、その兄君でライバルでもあり親友でもある「頭の中将」(22.8%)、光源氏を裏切り、不義の子を産む「女三宮」(20.6%)……。『源氏物語』に登場するキャラクターは本当にバラエティ豊か。すでに『源氏物語』を読んだことがある人は、個性豊かなキャラクターに惹きつけられているに違いない。

源氏物語

 しかし、『源氏物語』にはファンが多い一方で、「読んだことがない」という人も少なくはないようだ。本、マンガ、形式を問わず『源氏物語』を読んだことがない人は、55.4%。半数近くの人が、『源氏物語』を読んだことがないのだ。『源氏物語』を読んだことがないが「『源氏物語』を読みたい」と思っている人に「なぜ読んでいないのか」、その理由を聞くと、1位は「長いから(47.1%)」、2位は「どの本を選んだらいいかわからないから(37.7%)」。「手軽に読めるならば、『源氏物語』を読んでみたい」という人はもしかしたら多いのかもしれない。

「『光る君へ』をより楽しむために、今年こそは『源氏物語』を読んでみたい!」——そんなことを考えている人にオススメしたいのが、『まんがで読破 源氏物語』(紫式部:原作、チーム・バンミカス:漫画/Gakken)だ。「まんがで読破」シリーズは、その名の通り、今さら知らないとはいえない名著をまんがで楽しめるシリーズ。特に『源氏物語』をまんが化したこの本は、全54帖にも及ぶとてつもなく長い物語をギュッと1冊に凝縮。この本ならば、光源氏の亡き後、その孫の代の出来事まで描かれる70年もの長い歳月の物語を、わずか1時間あまりで、読み通すことができる。

源氏物語

 一気に読めるからこそ、見えてくるものがある。かくいう私は、『源氏物語』ファンで、現代語訳版やまんが版など、あらゆる本で『源氏物語』を読んできたが、この本で初めて、プレイボーイとして知られる光源氏の悲しみをダイレクトに感じた。どうして光源氏が数々の女性を追い求めるかといえば、それは、彼は初恋の人・藤壺の宮のことが忘れられないから。初恋の人への抑え難い恋慕と、思うに任せないもどかしさ。途方もない苦しみ。その面影を他の女性に探し求める流浪の日々……。「誰かを傷つけることなしに誰かを求めることはできないのか」——翻弄される女性たちではなく、光源氏にこれほどまでに心を寄せたのは初めてのことだった。

 もちろん、光源氏を取り巻く女性たちだって苦しい。この本では、その苦悩もありありと描き出していくからこそ、夢中でページをめくらされる。一番印象的だったのは、「好きなキャラクター」としても名前があがっていた、紫の上。幼い頃から“理想の女性”として育てられ、源氏の最愛の妻であった紫の上だが、彼女は自らが子どもを成せないことに悩まされてきた。だが、光源氏に頼まれ、彼女は、光源氏と他の女性との子どもを育て上げる役割を担う。「貴方の子は私の子です」と涙する紫の上は、どれほどの葛藤を抱えているのだろう。さらに、紫の上は、光源氏の心の奥底に、自分には敵わない相手がいることを悟っていた。それでも、彼を愛し抜いた紫の上の心中は……。一気にストーリーを読み進めたからこそ、その生き様が、痛いほど胸に突き刺さる。

「まんがで読破」シリーズには、ジュニア版もある。ジュニア版では、難しい熟語や漢字にすべてふりがなが振られているのはもちろんのこと、時代背景や作者についてもフルカラーで解説されている。物語が生まれた背景を深く学ぶことができるので、今年、親子で『源氏物語』を読んでみるのもいいかもしれない。

 間違いなく『源氏物語』ブームが来る今年、より大河ドラマを楽しむなら本書ほど適したものはないだろう。紫式部が描いた、いつの世も変わらぬ人間の姿。あなたも大河ドラマに合わせて「まんがで読破」シリーズで、この千年の時を超える大ベストセラーを、ひもといてはいかが?

文=アサトーミナミ

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