「それってあなたの感想ですよね」論破王・ひろゆきは家では宇宙語を喋る。妻・西村ゆかさんから見たひろゆきの素顔が面白い

「それってあなたの感想ですよね」という言葉で有名なひろゆきこと西村博之さん。「2ちゃんねる」開設者であり、「論破王」とも呼ばれ、何かと話題の存在です。そんなひろゆきさんの素の部分を綴ったマンガ『だんな様はひろゆき』（原作：西村ゆか・漫画：wako／朝日新聞出版）を紹介します。西村ゆかさんはひろゆきさんの妻です。ひろゆきさんとゆかさんは2014年に結婚。しかし2007年には結婚式を挙げており、パートナーとしての歴史は15年以上になります。

　本書はゆかさんの視点でひろゆきさんの日常や、ふたりのなれそめを紹介。特に私生活でのひろゆきさんは、彼のイメージから遠くかけ離れたものがあります。

【漫画】本編を読む

　まず、家の中でも相手を論破したり、超論理的に話したりしているのかなと思いきや、家では擬音語を通り越して、宇宙語でしゃべっているとのこと。

※偉い人、とはゆかさんによるひろゆきさんへの呼び名

　基本的には自炊、服は穴が開いても修理して着るので新しいものはほとんど買わない。外食するときは優待券のある場所から選ぶなど、かなり倹約家なのも意外です。

　そのほかにも遅刻魔だったり、お風呂にまったく入らなかったり……。ちょっと情けない面が暴露されていくひろゆきさん。しかしゆかさんの工夫した声掛けなどでそんな生活もだんだんと改善していきます。

　さらに果物の皮を剝いてくれたり、出張前に気の利いた置き土産を用意してくれていたりと、ひろゆきさんのちょっとした行動に喜び、愛を感じるゆかさん。普段はひろゆきさんに振り回されることが多いようですが、それも楽しんでいるようにも見え、なんだかんだと相性の良いご夫婦なんだなとほっこりします。

　また口論になると、ひろゆきさんが度々論破されている姿が見られるのも本書の意外なところ。

　それも、ひろゆきさんに「どんなことでも徹底的に相手を論破する」というイメージが強くついているから意外に感じるのだと思うのですが、そもそもこのイメージ自体多少作り上げられたものであるようです。例えば冒頭の「それってあなたの感想ですよね」という有名なフレーズ。この原稿を書くために少し調べたところ、実はひろゆきさん自身は一度しか口にした覚えがないそうなのです。

　また本書ではふたりのなれそめエピソードや、結婚式についても紹介。特に結婚式に関してはおふたりらしいなと感じる部分がありました。

　冒頭でも少し触れましたが、ひろゆきさんとゆかさんは2007年に結婚式を挙げ、2014年に入籍しています。その理由は、結婚式を挙げる時点ではふたりとも結婚という制度にメリットを感じていなかったから。しかしゆかさんは「大好きな人とウェディングドレスを着て結婚式を挙げる」ことには強い憧れがあったそう。ゆかさんのその気持ちを汲んでひろゆきさんも結婚式を挙げることに同意しました。（※ちなみに7年後入籍するに至ったのは、フランスに移住するため、ビザの手続きなどの兼ね合いで入籍する必要を感じたから）

　しきたりや常識にとらわれず合理的に、しかしお互いの気持ちは大切にするその姿は、世間的に見たら少し浮いているのかもしれません。それでもお互いがお互いを尊重している素敵なカップルだなと感じました。

　ちなみに本書は冒頭の一部を読める試し読み連載も展開中。気になった方は、まず試し読みしてみてください！

文＝原智香