2013年 上半期BOOK OF THE YEAR第1位作がコミカライズ化!

コミック版 夜行観覧車

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 双葉社
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:木村まるみ 価格:540円

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思うにね、空気は読むものじゃなくて吸うものです。ありのままでいられるよう深呼吸。空気なんて読まず、そのまま受け入れられたい。でも、世の中そう簡単にはいかない。やっぱり人の目は気になるし、カッコだってつけちゃう。人間関係が上手くいかなければ、大切なはずの人に辛く当たる。そうやって本当の自分を見失い、大切な人と向き合うことを忘れ、どんどん人との関係はこじれていく。この本を読んで、他人事ではないな、と少し寒気がした。無理していませんか? あなたらしく暮らしていますか? 大切な人を大切にできていますか?

本作は「2013上半期BOOK OF THE YEAR」で見事第1位を獲得した湊かなえの同名の小説のコミカライズ版だ。2013年1月~3月に鈴木京香主演でドラマ化もされたことでも記憶に新しいだろう。

少し背伸びをして、憧れの高級住宅街に一戸建ての家を建てた遠藤家。夢のセレブ生活が始まるかと思いきや、妻・真弓や娘・彩花は、近所付き合いに悩まされることになった。高級住宅街に相応しくない遠藤家に婦人会のメンバーは毎日執拗な嫌がらせを仕掛けてくる。だが、向かいの家に住む高橋家だけは彼女たちに優しかった。しかし、次第に両家の関係は変化していく。

ある日、高橋家の夫・弘幸が自宅で何者かに殺され、直後に妻と息子も姿を消した。遠藤家でも、彩花はいじめや母親の言動への苛立ちによるストレスで家庭内暴力をエスカレートしていく。一体、遠藤家、高橋家に何が起こり、何が彼らを変えたのか。

狭い世界で生きる登場人物を笑うことなかれ。「自分に合わないおかしなところで無理して過ごしていると、だんだん足元が傾いてるように思えてくるんだよ。精一杯踏ん張らなきゃ、転がり落ちてしまう。でも、そうやって意識すればするほど、坂の傾斜はどんどんひどくなっていく。」彩香は自分自身のことを“坂道病”と称したが、誰でも“坂道病”に掛かる可能性を秘めているだろう。

人は簡単に視野狭窄になってしまう。登場人物はつまらないものに強いこだわりをもっている。家にこだわるのも、成績にこだわるのも、場所にこだわるのも、はたから見ればどうでもいい。自分自身を見失ってはならない。それが原因で大切な家族を失うほうが苦しい。「観覧車は不思議な乗り物だ。どこにも行けない。行けなくてもいい。昨日から今日、今日から明日。変わらずに回り続けられる事がどれだけ幸せか。今なら分かる。」平凡な日々の幸せを忘れないようにしなければならない。

平凡な家族に起こりうる問題として、自分と関係ないとは言い切れないところが怖い。読後には湊作品につきものの重たさや閉塞感を感じるのだか、なぜだかこんな重苦しい内容が癖になる1冊だ。


表紙から惹き込まれる

高級住宅地に家を構えることができ、これからの生活を楽しみにしていたのだが

近所付き合いに苦しむ。嫌がらせの嵐

ある時、街で殺人事件が発生。街の住人たちに動揺が走る

一家の娘は反抗気味。家族とは何か。考えさせられる1冊
(C)奥寺佐渡子、木村まるみ、清水友佳子、TBSテレビ、ドリマックス・テレビジョン、湊かなえ/双葉社



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