10年たっても色あせない、ハイテンションな主人公語り!

ライトノベル

2013/8/16

ぜのん様である!

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
ジャンル:ライトノベル 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:おかゆまさき 価格:620円

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今、手元にある『撲殺天使ドクロちゃん』の発行日が2003年6月となっているので、なんとあれから10年ですか。今でこそ、人間だったり人間じゃなかったりする美少女が周囲にわんさかいて、主人公がわしゃわしゃされる物語は毎月、当たり前のように出てきますけど。

10年前というと、『イリヤの空、UFOの夏』が完結した頃。あと、『キノの旅』とか『ビートのディシプリン』(『ブギーポップは笑わない』のサイドストーリー)が電撃hpに載っていた頃のこと。ドクロちゃんは文体、ノリ、無茶で強引な展開、すべてが衝撃的でした。大いに笑うとともに、でもこのテンションは長く続けられるものではない、という気がしていたのを思い出します。ジャンプのギャグ漫画家がつぶれていくのと同じで、すり減ってすぐにいなくなっちゃうんじゃないかと思っていました。ところがどっこい、10年たっても健在じゃないですか。

本作『ぜのん様である!』は、モテたくてモテたくて仕方のない高校生、ユキナリくんの元に魔王として国を作ろうとやってくるゼノンちゃんの物語。というとファンタジー小説みたいですが、違います。ゼノンちゃん、見た目が小学生です。トレードマークは赤いランドセルです。ユキナリくんにくすぐられて、毎回1ページくらいキャッキャウフフしています。そしてユキナリくんの幼なじみにして、お嬢様女子校の変態女子高生、新菜さん。この2人との会話だけでも大いに盛り上がるのに、さらにはサッキュバスメイドのユズリハさんや、ライバル魔王まで登場してぐちゃぐちゃに…。

しかし不条理なまでに突飛な展開も、ユキナリくんの語りにかかってしまえば楽しくてやみつきになるんです。そして、話がいくところまでいってしまうと、ドクロちゃんでは撲殺と復活できりをつけていましたが、ぜのん様では同様の機構として魔導書から間違って召喚される触手に張本人がさらわれていなくなる、というのがあります。そういう物語の構造まで含めて、技として完成されたギャグを堪能できる1冊です。


「意味不明」自分でいっちゃいますか!?

変態ヒロイン、新菜さん。暴走ぶりがかわいいです

ゼノンちゃんとユキナリたちの会話より。テンション高いですね

魔導書の中に(触手に引っ張られて)消えていくゼノンちゃん…