どうなっちゃうの!? の変態展開が、まさかのイイ話に

ライトノベル

2013/9/6

Tとパンツとイイ話

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / メディアファクトリー
ジャンル:ライトノベル 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:本村大志 価格:450円

※最新の価格はストアでご確認ください。

本作、『Tとパンツとイイ話』は第7回MF文庫J新人賞の優秀賞作品だそうです(受賞時タイトルは『ようかい遊ビ!』)。新人賞の受賞作を読むのは久しぶりだったのですが、読んでなるほど! の作品でした。

作品全体としては、想いを寄せてくれる幼なじみとのトンチンカンだけどほほえましい会話あり、能力に目覚めてのバトルありで、非常によくできたライトノベルなんです。けれど、冒頭の展開がとんがっている。同じような完成度のものをいくつか読んでも、「ああ、あの抱き枕が頭にくっつくやつね」という風に浮き出るんです。

その冒頭は、主人公の陽太くんが目覚めるところから始まります。ただし、後のパートナーとなるしゃべるぬいぐるみ、コンに夢の中で呼びかけられたり、寝起き早々に変態なお友達、影時くんから預かっている萌えキャラエロ抱き枕のジョゼ子と頭が融合してしまったりと大騒動。頭に抱き枕がひっついた状態で、どうやって学校に行くんだろう? という読者の心配をよそに、通学途中で今度は幼なじみの光里さんの胸と陽太くんの手が融合。もうほとんど、『黄金のがちょう』な感じで次々とまわりのものをひっつけていくんですよ。

と、ここまででまだ全体の1/5も進んでいないという展開。これで、この先どうするんだろう? とこっちが心配になるくらい。ところがその後、同じ学校の思念糸専門家、天川くんが登場して問題の根源である思念糸にまつわる蘊蓄を傾けると一気に空気が変わる。ちょっと間抜けで変態な能力ものといえば適当か。とにかく非常にナチュラルなライトノベルの世界へと進んでいきます。

2巻に進んでも、同じメンバー、同じ舞台で少しずつ世界を広げながら話を積み上げていく作りは健在。語り口も流行を押さえていてとても読みやすく、好感が持てます。


「離れたくても、離れらんねえんだよ!」の返しは「褒めたって何も出ないよ」

発想は変態だけど、厨二的なほほえましい変態

コンとの出会いとなる夢

天川くんの解説で、この作品世界の能力が明らかになる

ヒロインがピンチ! の場面でも、発想が変態で笑える