「お金」じゃない「評価」経済社会が到来!? ホリエモンとオタキングが見通す未来とは

ビジネス・社会・経済

2014/6/27

ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 徳間書店
ジャンル:ビジネス・社会・経済 購入元:BookLive!
著者名:堀江貴文 価格:864円

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 空が青い理由も税金が上がった理由も自分がここに存在しているわけさえも、本当はよく分からない。知ったかぶりして生きているが、何も知らない。バカな人間は「なんとなく」のかたまりでできていて、何も分からぬまま日常を過ごしている。いかにラクに生きるかばかりに目を向けている。だが、この世の中で何かを成し遂げようと思うのならば、必要なのは、突き詰めて理由を問うていくことだ。そうすれば、物事の本質を知ることができるだろう。ホリエモンとオタキングの話を見ているとそんなことを感じる。

 『ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!』はホリエモンこと堀江貴文氏とオタキングこと岡田斗司夫氏が、互いの奇抜なビジネスやあらゆる行動の「理由」を問い合った対談集だ。彼らが知ろうとしているのは、「方法」ではなく、「考え方」。現代という時代を理解する思考法を知れば、応用してビジネスに活かせるかもしれない。

 岡田氏が主催する「FREEex」は、一風変わった形態を持つ組織だ。一般的な企業は雇い主が社員へと給料を支払うが、「FREEex」では「社長」である岡田氏に「社員」が年間12万円ずつの給料を払う。その代わり、岡田氏の仕事のギャラは全て無料。岡田氏の生活は社員からの給料で保証され、岡田氏のコンテンツは無料で全世界へと発信される。社員はそれぞれの能力を活かして岡田氏の本の編集を行なうなど、コンテンツをさらに広めるための手伝いをし、彼らの能力を磨いている。

 なぜこのような会社を作り上げたのか。それは岡田氏がこれからは評価経済が中心となる時代となるだろうと考えているためだ。「評価経済」とは、「評価」を仲介して、モノ、サービス、お金、が交換される社会のこと。貨幣と商品を交換する社会から、評価と影響を交換する社会になっていくと岡田氏は主張し、堀江氏も首肯する。いまの社会では貨幣の優先順位が一番だが、その優先順位が次第に落ちて、評価を優先する時代となるというのだ。この社会を生み出す要因にはやはりインターネットの力が大きいだろう。たとえば、昔ならば安いというのがモノを選ぶ際の大きな基準だったが、今ではレストランを探す場合、まず食べログで評価の高い店を探してからその値段が自分に見合ったものか判断して店を選んでいる。このようにモノの「評価」が判断基準の中心となる時代はすぐそばまで迫っており、それは人個人においても自分の「評価」を武器に、周りの者を集めて力を発揮する時代がくる。その先駆けが岡田氏の「FREEex」なのだ。

 現代において最大の資産は何かといえばインターネットを介してあらゆる人の知識を得ることができることだろう。それは、Yahoo知恵袋のようなQ&Aサイトだけにとどまらない。たとえば堀江氏が「会社を作る」とTwitterでつぶやけば、「タダでいいから働かせてくれ」とか「自分にはこんな能力がある」というツイートがとんでくるように、世の中での評価が高いほど、優れた人材や知識、チャンス、が集まりやすい環境にある。お金がなくとも評価さえあれば、様々な人が集まり、協力が得られ、やりたいことを実現させられる。評価を得られれば、何だって成し遂げられるという時代がすぐそばまで近づいている。

 堀江氏と岡田氏はこんな考えを元にイラストコミュニケーションサービス ・pixivで一般ユーザーからイメージボードを募集し、クラウドファンディングで資金を集めることで、素人の力でアニメを作ろうとしている。彼らはお金に縛られていない。ただ、好きなこと、気になったことを突き詰めようとしているだけなのだ。その思考力、行動力の高さに、なぜだか、自分も負けていられないと思わされるに違いない。

 お金を儲けようとしても儲けられるものではない。好きなものを突き詰めること。思いついたアイデアを、失敗を恐れず実践すること。そうすれば、世の中をあっといわせるものを生み出すのも夢ではない。この本を読めば、オタキングとホリエモンのような思考術を身につけられる気がする。


互いに「なぜ」と問い合った対談集

「評価経済社会」を提唱する岡田氏といつのまにか「評価経済社会」を実践していた堀江氏

2人が生み出すアニメはどんな内容になるのだろうか…出来上がる過程とともに気になる

お金は貯めるためにあるのではなく、好きなものに使うためにあるのだ。彼らが好きなものに注ぐ情熱のアツさをも感じられる1冊だ