電子書籍を出版するまでの体験記。気軽に読めて電車でのチョイ読みに最適!

小説・エッセイ

更新日:2012/2/3

電子書籍を出してみたよ!

ハード : iPad 発売元 : Ractive Corp.
ジャンル: 購入元:AppStore
著者名: 価格:200円

※最新の価格はストアでご確認ください。

電子書籍を読むようになって興味を持ったことがある。それは、iPhoneアプリにしても、その他の電子書籍サイトのコンテンツにしても、どうやって作られているのかということ。一般の出版物とはどこが違うのだろうか。

そんなことを考えているとき、偶然にも本書を発見。ボリュームも少なそうで、忙しい年末には最適じゃないかと思い、気楽な気持ちでダウンロードしてみた。

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アプリを起動すると、目論見通りボリュームは少なめ(iPhoneで230ページ程度)。内容も口語調で読みやすく、内容もライトなので、移動中のチラ読みにはピッタリだった。

本書の内容は、ライター業を営む著者が、Amazonのkindle向けの電子書籍をイチから出版するというもの。英語でしか出版できないため、企画の段階で若干カベにぶつかるものの、その後は比較的順調に出版に向けて進んでいく。思い浮かんだ企画が周囲から好評を得るところや、出版業界とIT(ネットコンテンツ)業界の作業工程の違いに苦労したりする点は、現場の臨場感が伝わってきてグイグイ引き込まれた。何よりも、全般にわたって苦労より新しく登場したコンテンツを生み出す喜びや楽しさにあふれているところに好感を持った。

もうひとつ好感を持ったのは、実体験をもとにネットコンテンツ特有の収益の上げづらさを紹介しているところ。今後、いくら電子書籍が普及したからといって、それが単純に出版不況の解決にはつながらないことを、体験者が語る意味は大きいと思った。

新しいコンテンツを生み出すことに興味のある人、電子書籍やスマートフォンアプリの制作に興味のある方なら読んでみる価値のある一冊ではないでしょうか。

ライトな文章でボリュームも少なめ。タイムリーな題材で入り込みやすいので、1日の通勤+帰宅で読了することも十分可能