野球マンガは永遠に不滅です!
公開日:2011/9/4
戦後野球マンガ史 手塚治虫のいない風景
ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android | 発売元 : 平凡社 |
ジャンル:趣味・実用・カルチャー | 購入元:eBookJapan |
著者名:米沢嘉博 | 価格:540円 |
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マンガ評論家であり、日本マンガ学会理事、米沢嘉博の実用書。
野球漫画というジャンルを初期作品から現在まで作品ごとに解説し、漫画家と読者の時代の変遷を評論している。
まずは作品数が膨大。おそらく、戦後から殆ど全ての野球漫画が網羅されているに違いない。まさしくマンガ史である。
テーマに沿った時代ごとに区分され、戦後の時代では、学童社の漫画少年に連載された井上一雄、福井英一の「バット君」に始まり、寺田ヒロオの「背番号0」「スポーツマン金太郎」、原作福本和也、作画一峰大二の「黒い秘密兵器」などが紹介されている。
スポ根の時代では、原作梶原一騎、作画川崎のぼるの「巨人の星」が取り上げられているのは当然。
集団ヒーローの時代では、原作遠崎史朗、作画中島徳博の「アストロ球団」、ちばあきおの「キャプテン」、水島新司の「ドカベン」。ギャグとアンチヒーローの時代では、江口寿史の「すすめ! パイレーツ」、いしいひさいちの「がんばれ! タブチくん」、内崎まさとしの「超人コンプレックス」。
多様化の時代では、あだち充の「タッチ」、竜崎遼児の「どぐされ球団」、さだやす圭の「なんと孫六」、満田拓也の「MAJOR」などが紹介されている。
タイトルが目に入った瞬間、胸震える作品もあったが、ここで取り上げている作品は、その中のほんの一部である。さらに、この本のおかげで知ることができた作品もあった。
そして著者は最後に、このジャンルに、戦後漫画界を牽引した手塚治虫がいなかった意義と、すでに野球というスポーツがマイナー化していることを告げる。これもひとつのジャンルの個性と変遷なのだと感じてしまうのだった。
まずは目次
時代背景から、野球漫画の定義と、その時代性の説明
「バット君」の資料。貴重だ
「背番号0」について
「スポーツマン金太郎」について (C)米沢嘉博/平凡社