美男か醜男か、男性の選択肢はこのふたつしかないという。アナタはどっち?

小説・エッセイ

2011/9/1

美男へのレッスン(上)

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 中央公論新社
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:橋本治 価格:540円

※最新の価格はストアでご確認ください。

つい先日は100年ぶりくらいに地震があり(地下鉄のホームにいた私は気づかなかったが)、今度はこれまでになかったような大型ハリケーンが上陸するというので、ニューヨークは週末から臨戦態勢。ブルーグバーグ市長は家から出るなというし、地下鉄は停まっているしで、この週末は家にこもっているしかなかった。

おかげで、このむやみに長い作品を読み終えることができた。本人もあとがきで書いているが、やたらと長い。もっとコンパクトになるんじゃないかと思うが、それでも上下2巻読み終えたということは、私にとっては面白い本だったのである。

タイトルを見て、古今東西の美男の類型でも分析した本かと思って手に取ったら、全くちがう内容だった。

「非支配的な性」という偏向した立場を突き崩そうとして、「美人でもないし不美人でもない」女達は、「フツーの女」というカテゴリーを獲得した。  その苦難の道程を、男達はまだ経験していない。だから、そうである以上、「美男でも醜男でもない“フツーの男”」というのは、まだ存在しないのである。存在するのは、「フツーの男を自称する醜男」だけなのである。(本書/「ORIENTATION」より)

ということはつまりどういうことか、というのがこの長~い本の中核をなす部分だろうと思う。

分かりやすいことがすべてではない。簡潔なことがすべてではない。わけの分からないへんてこりんな形でしか提示されない重要なこともある。(本書/「文庫本のあとがき」より)

と著者が言うくらいだから、本書はわかりにくい。が、読み終わったとき、なんだかすっと腑に落ちるものがあるような気がした。

女の私から見て、男性の「なんでそうなるの?」と理解不能だった部分の歴史的必然みたいなものがぼんやりと分かったような気がした。だからと言って、女性にとって夫や恋人との異性関係がスムーズに行くとか、世の中のオヤジの言動に共感できるようになるとか、そういう実用性はこの本には全くない。

当事者たる男性に、まず読んでほしい本だが、女性にとっては、男性との関係性を通して女性とはどういう存在なのかを、考える手がかりになると思う。

貴男は美男か醜男か。ぜひ「ブオトコ・チェック」やってみよう。女性の目から見ると、とてもよくできているチェック項目

美男を知るには、美女というものも知る必要がある

美男とは本質的に「壁の花」。なるほど