精神論にあらず! 部下育成を最速・最短・最楽の「技術」とする新視点の上司論
更新日:2011/10/21
部下の失敗を暖かく見守る余裕が、企業になくなっています。
そんな今日に上司が身に付けておかねばならないのが、スピーディな部下の育成法。本書はそれを「技術」として、「最速」「最短」「最ラク」で部下を戦力にする具体的なメソッドを謳っています。
ふとけんが社会人になった20年数年前は「失敗して覚える」のが当たり前で、先輩や上司の寛容さの中で育てらました。しかし時代が変わり、プレイングマネージャーが増えて上司の忙しさは殺人的ともいえる会社もあります。ふとけんも例に違わずです。
失敗させて育てるのは上司にとって最もラクな方法、という筆者の指摘は正しいのかもしれません。筆者は「ひな型が大事」「予定が大事」「報告が大事」という骨子での育成方法を、スキルとして提示しています。今や上司に求められることは、自らプレーヤーとして成果を出しながら、同時に部下の能力や意欲に依存せずに、成果を出させ続けること。上司は自分の仕事で手一杯! 部下がミスることは許されない! でも部下の面倒をきちんと見ている時間なんてない! そんな中間管理職受難(?)の時代に頼りになる、「これやっといてワールド」を作るための最強のマニュアルといえるでしょう。
著者の柴田氏には、次回はぜひ、部下に渡すべき「ひな型」「予定」を組み立てる時間すらない、ふとけんの悩みを解決する一冊をお願いしたいのです(リアルですみません…)。
ふとけんとして気になった(というか、ついタップしてしまった)見出しベスト3は、①短期間で部下が育つ「急がば回れ」の近道とは、②部下に「考えさせる」ことから悩みは始まる、③「やってみればわかる」は上司の思い込み、でした
画面の中心部をタップすると、上と下にメニューボタンが表示されます。下のボタンは右から「設定表示」「目次表示」「しおり登録」ボタン。「設定表示」では縦書/横書やルビ(ふり仮名)の有無、フォントや文字サイズ、背景などを設定できます。ちなみに検索サイトもGoogleとYahoo!を選べますが、検索エンジンが一緒になってしまった今となっては、あまり使わない機能かもしれませんね
特定の言葉で読み広げる機能は、(ふとけんは滅多に使いませんが)横道に逸れながら読む人には欠かせないものだと思います。ちなみに選択した「理不尽」をWeb検索(Google)すると、「教えて! Goo」の「理不尽と不条理の違いについて」がトップに登場し、めちゃめちゃ気になったので思わずタップしてしまいました。いろいろな方の回答の違いが楽しめましたが、やっぱり本文がそっちのけになりますね
本書では、文字の色分けがよく登場します。同じ色(通常は黒)の文字だけで読み深めていくと、単調に感じてしまうのですが、見出しや著者が強調したいポイントなどがちょうどいい塩梅に色づけされています。蛍光マーカーを右手に本を読む習慣を持つふとけんとしては、自分でマークする楽しみがないのは残念(!)な気もしてしまいますが、慣れると便利なんだと思います