ホラー界の女王・犬木加奈子を電子書籍で！ 悪魔があなたの願いをかなえます…

飛び出しそうなギョロ目、おどろおどろしいホラー描写、恐怖と紙一重のユーモア。

独特の作風で、少女マンガ界に一大ホラーブームを巻き起こした犬木加奈子。

80年代後半の一時期は『ホラーM』『サスペリア』など、少女向けホラー漫画雑誌の表紙＆巻頭のほぼすべてが犬木加奈子！ なんてこともザラでした。

「汝　かなえたき願いあれば　悪魔を捕まえよ」

『かなえられた願い』はふとした偶然から“悪魔之書”を手にした人々が、悪魔にひとつだけ願いを叶えてもらうというオムニバス物語。

主人公はほとんどが10代の少女たち。「好きな彼の気持ちを手に入れたい」という可愛らしい欲望から、「嫌いな友達をひどい目にあわせたい！」という攻撃性むき出しのものまで。少女たちは後先考えず、悪魔に願いを訴えます。心のままに悪魔と契約をした彼女たちのもとにやってくるのは幸せ、それとも…！？

私も小学生の頃、まんまと犬木加奈子にハマったくちですが、驚いたことに今読んでもまったく鮮度が落ちてないんですよね。ホラーではあるものの、彼女の作品はちょっとした表情や演出が微妙にユーモラス。だからハッピーエンドでもないのに、つい笑っちゃったりする。怖いのに面白いという不思議な読後感は、今の大人が読んでも健在です。

満月の夜、合わせ鏡と小ビンを用意して悪魔を待ち受ける少女。こういうディテールが子供心にもツボでした

みんなが恋とかいじめとかで悩んでる中で、この子は結構壮大な願いを言っちゃってます（笑）

「手作りのクッキーを贈って気持ちを伝えたいだけ」という少女。そのピュアな心が行き着く先は？

人生経験がある大人ほど、悪魔を前に逡巡してしまうのもなんだか皮肉ですね