身分違いの叶わぬ恋を描く、レビュアーイチオシの戦国ラブストーリー

公開日:2011/12/23

BALLAD 名もなき恋のうた

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 双葉社
ジャンル:コミック 購入元:電子貸本Renta!
著者名:津寺里可子 価格:315円

※最新の価格はストアでご確認ください。

クヌギの木の根元から天正二年に書いた自分の手紙を発見した真一は、そのまま戦国時代にタイムスリップし、侍大将の井尻又兵衛に捕まって春日城へ連れて行かれる。そこで出会った廉姫は、度々真一の夢の中に出てきた女性だった…。

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又兵衛と廉姫の純愛が心に染みます。そしてとにかく泣けます。お互い好き同士なのに、身分の違いからそのことを口にすることができない又兵衛と廉姫。廉姫が隣国の殿様から結婚の申し込みをされた時も、又兵衛はそれに賛成することしかできず、廉姫も国の安泰のために嫌々ながらも承知するしかありませんでした。二人の切ない表情を見ているだけで泣けます…。結局隣国の殿様との縁談は断ってしまうのですが、その決断をした時の父上のセリフも感動ものです。

縁談を断ったことによって戦が始まり、当然又兵衛も戦うことに。ひょっとしたらこれが最後になるかもしれない…というにも関わらず、廉姫と必要最小限の言葉しか交わそうとしない又兵衛に、真一があれだけでいいの? と問いかける場面があるのですが、その時の又兵衛の言葉が本当に心に染みます。その後又兵衛が直接廉姫に送った言葉も…。花の下でのお互いの最後の願いは号泣ものです。そして迎える衝撃のラスト。又兵衛と廉姫には幸せになってもらいたかったのに…。

この作品は泣けるシーンが多いんですけど、微笑ましいシーンも結構あります。たとえば廉姫に怪我の手当てをしてもらった時の又兵衛の表情や、廉姫の給仕に顔を赤くしてしまう又兵衛の姿は本当に可愛いです。戦場では鬼井尻と恐れられているのに(笑)。二人の純愛がとても心に残る作品です。

登場人物紹介です

クヌギの木の根元から、なぜか自分で書いた手紙が出てきて…

夢の中に出てきた廉姫とご対面

戦国時代にカレーはないですよ(笑)

お互い好きになるだけでできる未来の結婚に驚く廉姫

父の決断

顔を真っ赤にする又兵衛が可愛いです

一番の幸せについて考えさせられたページです

又兵衛の最後の願い

廉姫の最後の願い