【2017年秋アニメ特集第1弾】「宝石の国」「少女終末旅行」「クジ砂」……ファンタジーアニメの行方を制作スタッフから占う!

アニメ

公開日:2017/10/11

ついに放送が始まった2017年秋アニメ。新作は50本以上にものぼり、アニメファンの嬉しい悲鳴が聞こえてきそうなほどです。ダ・ヴィンチニュースでは、そんな秋アニメからテーマを絞って注目作を紹介。第1回となる今回は、夏アニメの傑作『メイドインアビス』に引き続き、力作となりそうな作品が揃うファンタジー世界を扱ったアニメです。

宝石の国

制作会社:オレンジ
監督:京極尚彦
シリーズ構成:大野敏哉
キャラクターデザイン:西田亜沙子
原作:市川春子(アフタヌーン)

 マンガファンから評価の高い原作を、『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』『コードギアス 亡国のアキト』などを手がけ、作画と3D CGの融合に定評のあるオレンジがアニメ化。本作は遠い未来で宝石の体を持つ人型生物と月から飛来する謎の敵“月人”との戦いが展開するバトルもの。激しいアクションを、『ラブライブ!』や『プリティーリズム』で魅力的な少女のステージを演出してきた京極尚彦が監督としてどのように描くか。その期待が裏切られないことは、以下のPVからも十分に察せられます。また主人公・フォスフォフィライト役の黒沢ともよを始め、宝石を演じるのは小松未可子、茅野愛衣、佐倉綾音、田村睦心、早見沙織……など主演級ばかり。女性声優ファンにも見逃せない1作となりそうです。


少女終末旅行

制作会社:WHITE FOX
監督:尾崎隆晴
シリーズ構成・脚本:筆安一幸
キャラクターデザイン・総作画監督:戸田麻衣
原作:つくみず(くらげバンチ)

 文明崩壊後の終末世界を少女2人が旅する“ディストピアファンタジー”。退廃的な世界観で、“ふたりぼっち”の少女たちがほのぼのとしたやり取りを見せるという異色作ですが、近年『Re:ゼロから始める異世界生活』や『装神少女まとい』でさらに名を上げたWHITE FOXなら、しっかりと原作の持つ雰囲気を再現してくれるのでは……?

advertisement

クジラの子らは砂上に歌う

制作会社:J.C.STAFF
監督:イシグロキョウヘイ
シリーズ構成:横手美智子
キャラクターデザイン:飯塚晴子
原作:梅田阿比(月刊ミステリーボニータ)

 砂の海に覆われた世界で漂白船“泥クジラ”に暮らす、超能力を持った少年少女たちの戦いを描く作品。監督は『四月は君の嘘』のイシグロキョウヘイ、制作は原作付きアニメを多数世に送り続けるJ.C.STAFF(2017年は『うらら迷路帖』『南鎌倉高校女子自転車部』『アリスと蔵六』など)ということで、手堅さは保証済み。特に注目したいのは背景。原作の繊細なタッチとはまた違った質感で、独特な世界観を作り上げているのがPVからもわかります。


キノの旅-the Beautiful World- the Animated Series

制作会社:ラルケ
監督:田口智久
シリーズ構成:菅原雪絵
キャラクターデザイン:アミサキリョウコ
原作:時雨沢恵一(電撃文庫)

 2003年のTVアニメ化以降も何度か映画化されたライトノベルがTVシリーズとして再登場。旅人のキノと喋る二輪車エルメスがさまざまな国を巡る連作ですが、田口監督によると、背景美術はエピソードごとに制作会社を変えるほどこだわっているらしく、各国の風景の描かれぶりに期待がかかります。また主人公のキノ役は、2017年だけでも『幼女戦記』のターニャ・デグレチャフ、『アホガール』の花畑よしこと強烈な演技で驚かせてくれた悠木碧さん。彼女によるクール少女の演技も聞きどころです。


ブラッククローバー

制作会社:studioぴえろ
監督:吉原達矢
シリーズ構成:筆安一幸
キャラクターデザイン:竹田逸子
原作:田畠裕基(週刊少年ジャンプ)

 魔力を一切持たないアスタと、魔法の才能を持つユノ。ふたりの孤児が親友、そしてライバルとしてそれぞれに魔法使いの頂点“魔法帝”を目指すというバトルファンタジーです。監督は『夜ノヤッターマン』『モンスター娘のいる日常』の吉原達矢、制作は『NARUTO』シリーズを始め、長期アニメを手がけることも多いstudioぴえろ。ちなみに筆安一幸さんは先述の『少女終末旅行』、ふでやすかずゆき名義で参加している『ネト充のススメ』と合わせ、秋アニメでは3本ものシリーズ構成を担当しています。


 これらのほかにも、現代のイギリスが舞台ながら、少女と人外の魔法使いの暮らしを描く『魔法使いの嫁』、同名スマートフォンゲームが原作のシュールショートアニメ『ディアホライゾン(被)』などもラインナップされた2017年秋アニメ。夏から続いて放送されている『魔法陣グルグル』や『将国のアルタイル』も合わせると、まさに“ファンタジーの秋”と言っても過言ではないほどの充実ぶりです。秋の夜長、独創的なファンタジー世界にどっぷりと浸かってみるのもいいのでは?

文=はるのおと