脂質制限はむしろ太る? フルーツジュースも逆効果! 血糖値を安定させて糖質制限する方法とは?

健康・美容

2017/10/24

『血糖値が安定すればやせられる 糖質制限完全マニュアル』(山田悟/文藝春秋)

〈肥満に悩む方に私がお伝えしていることは、「まずはご自身の食事を思い返してください」ということです〉という、シンプルかつぐうの音も出ない正論。これが真理だ。太るからには原因があって、たいていはバランスのとれた食事をとれていない。そもそも偏った食事制限でどうにかしようとするのが無茶なのだ。そこで「糖尿病の専門医の私ですらカロリー制限食は続けられなかった」という山田悟氏が、冒頭の一文とともに提唱するのが血糖値の管理。『血糖値が安定すればやせられる 糖質制限完全マニュアル』(山田悟/文藝春秋)である。

■老化を促進し、身体を弱めるうえに、効果のないカロリー制限

 著者いわく、カロリー制限ではやせられない。なぜか? 単純に考えて、太った人は食べることが大好きだから太るのだし、それを無理に抑圧すれば大きなストレスになる。第一、正確なカロリー計算なんて誰にもできない。この2つをどうにかクリアしたとしても、期待するほど効果は出ないという。摂取カロリーが少ないことに身体が慣れてしまったあとは、消費するカロリーも比例して低下する。基礎代謝がおとろえれば、筋肉も落ちる。さらには骨密度が低下して、老化がはやまる。さらにさらに困ったことに、カロリー制限から脱落したあとに起こるリバウンドは、とくにたちが悪いという。それもそのはず、おとろえた筋肉のうえに脂肪がつくのだから、見た目は以前と同じでも体脂肪率はむしろUP。おそろしい……。

 そこで山田さんが提唱するのが「ロカボ」。糖質の摂取をゆるやかに控え、健康的に痩せるための制限食。これが「血糖値の安定」につながるのである。

■脂質はむしろ、摂ったほうが痩せる!

 空腹時は低血糖。食事を摂れば高血糖。上昇した血糖値を下げるべく、すい臓から分泌されるのがインスリンだ。高血糖は病気にもつながるのだから、人体には必要不可欠な状態。だがこのインスリンが過剰に分泌されると、脂肪細胞の容積が増えて、肥満につながってしまうというから大問題。ブドウ糖を中性脂肪に変えて肝臓にとりこみ、フォアグラ状態にしてしまうという、おそるべき機能をインスリンはそなえているのである。つまり、避けるべきは急激な血糖値の上昇。そのために必要なのが、糖質制限。むやみやたらにカロリーを気にするのではなく、糖質の多く含まれる炭水化物を制限する。とくにはらぺこなときほど、気をつけることなのだ。

 また、ダイエット中はどうしても、脂質の多そうな油ものや肉類を避けがち。だが実は、脂質とタンパク質は、血糖値の上昇をおさえてくれるという。むしろ摂らないことで、血糖値を下げる役割をインスリンのみに委ねることになってしまい、分泌が促進されて、太りやすい身体になる。悪循環である。 生半可な知識と思い込みでするダイエットほど、危険なものはない。断酒したり、フルーツジュースで食事を置き換えたり、和食はヘルシーでフレンチは高カロリーと思い込んでいたり……という行為に心当たりのある方は、ぜひとも本書を読んで正しい「ロカボ」とコツを学んでみてほしい。

文=立花もも