「好きなのに嫌いと言ってしまうのはどうして?」―大人もたじろぐ子どもの質問にどう答える?

出産・子育て

2017/11/15

『大人もおどろく「夏休み子ども科学電話相談」鋭い質問、かわいい疑問、難問奇問に各界の個性あふれる専門家が回答!(サイエンス・アイ新書)』(NHKラジオセンター「夏休み子ども科学電話相談」制作班:編著/SBクリエイティブ)

 子どもは大人が答えられないような、一見「当たり前」の質問をするときがある。

 例えば「1メートルの基準とは何か?」。1メートルは1センチメートルの100倍で、1キロメートルの1000分の1ということは大人なら知っているが、その基準は何と聞かれて正しく答えられる人はどれくらいいるだろうか?

 この質問は、『大人もおどろく「夏休み子ども科学電話相談」鋭い質問、かわいい疑問、難問奇問に各界の個性あふれる専門家が回答!(サイエンス・アイ新書)』(NHKラジオセンター「夏休み子ども科学電話相談」制作班:編著/SBクリエイティブ)の中の第4章「大人もたじろく難問奇問」に掲載されているうちの1つ。知っている人がいるかもしれないが、「夏休み子ども科学電話相談」は夏休みにNHKラジオ第1で放送されている番組で、スタートは1984年の老舗。本書には、小学生・中学生からの科学と関連が深い分野の生質問から選りすぐりが収録されている。

 さて、「1メートルの基準とは何か?」。この質問の回答者である竹内薫氏は、質問者である子どもにこう答えている。

「これはですね、光が1秒の『ニオク・キューセン・キュウヒャク・ナナジュウ・キュウマン・ニセン・ヨンヒャク・ゴジュウ・ハチ・ブンのイチ』(2億9979万2458分の1)という短い時間に、真空を進む距離として定義されているんですよ」

 回答者によると、最初はフランスで地球の周りの長さを4万キロメートルと決め、その4万分の1の距離を1キロメートル、4000万分の1の距離を1メートルとしたそうだが、科学が進歩すると、地球の1周の長さは測る方向によって変わることがわかった。そこで、より正確に長さの基準を決めようと、1983年に光の進む距離を基準とすることに。このような細かい数字になった。

「夏休み子ども科学電話相談」は、心や体に関する質問にも答える。子どものときは、好きな子にほどちょっかいを出したり、「嫌い」と言ったりする。

 小学2年生が「好きなのに嫌いと言ってしまうのはどうして?」という質問を番組に寄せた。回答者は、脳科学などを研究する篠原菊紀先生。

回答者「…たとえば、あなたが誰かのことを好きって言って、嫌いって返されちゃうと嫌だよね?」

質問者「はい」

回答者「そういうのを心理的な防御って言うんだけどぉ(笑)。好きって、すごく大事な感情だから、それがつぶされちゃったりするのをあらかじめ怖がって、だから嫌いって言っちゃったり、できるだけ(好きって)言わないようにしちゃったりする……のは考えられます」

 ちなみに、回答者によると、大人の場合は「集団の利益」も考えて、このような態度に出る場合があるという。誰が誰を好きなのか、少し隠しておいたほうが集団としてはうまくいくそうだ。

 本書には、子どもが「ものの見方を変えることができる」「ちょっと成長できる」質問と回答がぎっしりと詰まっている。大人も読み応えある一冊だ。

文=ルートつつみ