男女の溝は会話で解決!? かみ合わない二人の会話にニヤニヤが止まらない『僕と君の大切な話』

マンガ

公開日:2017/11/19

僕と君の大切な話(3) (KC デザート)

著:
出版社:
講談社
発売日:
『僕と君の大切な話』(ろびこ/講談社)

 男女の溝は海よりも深い……! そんなモヤモヤを感じ、ハアアと深いため息をついたことがある人は多いのではないだろうか。

 筆者は既婚女性だが、未だに男女の前にそびえ立つ大きな壁に辟易することがある。

 この人はどうして、髪を切っても気づかないのか。何気ない会話に共感を示さず結論を出そうとするのか。居酒屋のビールを際限なく頼む割には、カフェのおしゃれなフラペチーノの値段(一杯500円前後)に目を丸くするのか……。

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 女性相手ならすぐに分かりあえる状況が、夫とは中々相互理解を深めることが難しく、悲嘆にくれることがある。

『僕と君の大切な話』(ろびこ/講談社)は、そんな男女の違いを、時に議論しながら、距離を近づけていく高校生の会話が描かれた一冊だ。

 作者は『となりの怪物くん』で一躍その名を轟かせたろびこ。ユニークな展開ながらも、感情の変化をリアルに繊細に描くその手腕は今作でも存分に発揮されている。

 登場するのは、独自の人物観で度々論議を巻き起こし、「変わり者」だと有名なツンデレメガネ男子・東くんと、そんな彼に恋をする若干ストーカー体質のポジティブ美人女子・相沢さん。

 相沢さんは東くんへの片思いをこじらせて、学校帰りに後をつけて駅で告白したものの、よく分からない理屈で告白を「よくない」と諌められて終了した。

 その後も、東くんのすね毛を見て若干引いたり、パンツを見られて死にたくなったり、手作りクッキーを渡そうとして非難されたり、散々な不幸に襲われるものの、めげずに会話を続けることで、少しずつ距離が縮まっていく――。

 駅のベンチや学校の中庭、文芸部の部室でもある第2理科準備室で繰り広げられる「どうして男は…」「どうして女は…」で始まる会話は、謎と笑いと共感にあふれていて、ニヤニヤが止まらない。

 例えば「結局女は顔のいい男が好きだよな」とボソッとつぶやく東くんに「優しさ」も重要なポイントだと力説する相沢さん。

 だが「そう言う男の子たちは女子のどこを見ているのかしら?」と彼女が尋ねると、東くんと一緒にいた友人男性は

「顔・顔・胸かな」

 とサラッと答え、東くんも「視覚的要素はインパクトがでかい」と同意したのは思わず笑ってしまった。

 他にも女子の機嫌が上下する理由が理解できず、直接「失礼『あの日』(生理)か…」と指摘して怒られることもあれば、東くんに友人が多いことに感心した相沢さんに「…始まったな 身辺調査が」とため息をつき、「男の行動を監査し値踏みし倒し、人格までも否定する気だろう!!」と暴走を始めたのは、あっけにとられてしまった。

 ヘンテコな理屈をこねくり回す東くんだが、彼は「同じ星の人間とは思えない」女性との会話を拒むことはない。その理由は

「たとえば僕と君が違う星の人間だとして それをつなぐのは言葉だろう だったら こちらから閉ざしてしまうのはあまりにももったいない」

 とのこと。

 そう……! 我々男女は、お互いのことを本当は分かりたいと思っているのだ。それが好きな相手ならなおさらで、男女の溝を埋める手段が「言葉」なら、それを使わないでいる理由はない。

 同じ空間で、相手の目を見て。笑ったり怒ったり、時に傷つきながらも意思疎通をはかる二人が本当に愛おしくて、会話ってこんなに素敵なものだったっけ? と感じてしまう胸キュン必須の一冊だ。学校のメンバーを巻き込みながらの二人の会話はより一層おもしろい。ぜひ手にとって、かみ合わない二人の絶妙なやりとりを堪能してほしい。

文=さゆ

この記事で紹介した書籍ほか

僕と君の大切な話(3) (KC デザート)

著:
出版社:
講談社
発売日:
ISBN:
9784065104200