社会人一年目に覚えておいた方がいい10の事柄――『いつか別れる。でもそれは今日ではない』vol.3

ビジネス

2017/11/18

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Twitterフォロワー数19万人超の「F」がつむぐ寂しいと言えなくなったすべての大人のためのエッセイ『いつか別れる。でもそれは今日ではない』。2017年4月の発売以降、ネットや書店を中心に大きな話題となり、初著書ながら15万部を超える大ヒットを記録。ダ・ヴィンチニュースでは、本書の中から4篇をピックアップ、4週にわたり特別掲載します。今回は「社会人一年目に覚えておいた方がいい10の事柄」。ほのかに温かく、すっと入ってくる絶妙に鋭い文章。Fさんの世界観に浸ってみてください。

 社会人になる上でこれだけは覚えておいた方がいいと思うことってありますかと今春で社会人になる後輩に訊かれたことがある。ところで夏目漱石がかつて大和魂について曰く、「誰も口にせぬ者はないが、誰も見たものはない。誰も聞いた事はあるが、誰も遇った者がない。大和魂はそれ天狗の類か」と放言していたが、この「大和魂」は「大和撫子」に差し替えても「社会人」に差し替えてもよい。

 つまり、そんなものは存在しないということだ。
 誰も社会のために生きてない。会社のためなんかに生きていない。が、その時は彼にそんな適当な答えはできなかった。もし彼に同じ質問をされたら、それでも私は左のような10の覚え書きを、自戒を込めて彼に送りたいと思う。

(1)報告・連絡・相談は、上司に責任転嫁しても許される、新人の最高の特権。
とにかく報連相は使い倒す。小・中・高・大と違い、君の目の前にいるのは断じて教えるプロではない。質問はバンバンすること。ただしそのタイミングは、ちょっと気を遣うこと。気分で動いている人は想像以上に多い。

(2)君のことが気に入らない人は、君がなにをしても気に入ってくれない。
気に入ってくれた人には、最大の誠意で答えた方がいい。そうでもない人の反応には、一喜一憂しなくてよし。人間は山ほどいるし、会社も山ほどある。

(3)仕事は、再度依頼を貰えるまでが仕事。

(4)忙しくても暇そうなフリをしていたら、人は寄ってきてくれる。
ガチで忙しい時は、適宜サボること。サボってもバレない場所を、社外で五箇所は見つけておくこと。人間、一日に数時間しか集中できない仕様になっている。

(5)残業上等の会社は遅かれ早かれ潰れるし、君も潰す。
自社の常識は、他社の非常識。一番大事なのは自分のルール。それだけ守る。

(6)土日になにをするかは、水曜くらいに決めとこう。
土日のために、平日がある。人間は、遊ぶためだけに生まれてきたのだ。

(7)結局、人。
仕事でいえば、結局、上司。上司が最悪だと判断した場合は上司の上司に即刻相談。話にならなければさらにその上司に相談。大体そういう上司は過去にも部下との不和がある。たいていの人の離職理由の本当の理由は、金でもやりたい事でもなく、上司にあることはその内分かってくる。

(8)謝罪は、翌日すること。
まずメールで謝り、そして直接謝ること。さらにまた会った時、また謝ること。次に謝罪が必要なことが起きても、前回の過剰な誠意が、ちゃんと機能する。

(9)仕事は、しょうもない雑談の延長。
とにかく、雑談。喫煙所でもどこでもいい。君に頼んだらなんとかなるかもと思わせたら、最高。あえて不器用な所を演じても効果がある。そういう奴ほど、なんだかんだ可愛がられる。

(10)用意された仕事のほとんどは、単なる作業。仕事とすら言えない。
働いているだけで、なにかをした気になれる。やりたいことをやれるまで、好奇心豊かに、警戒心豊かに生きろ。ちゃんとそれができるように、ちゃんと睡眠時間だけは取ること。労働で死ぬな。

◆vol.4「香りについて」は11月25日更新予定

著者:F
11月生まれ。血液型はA型。黒髪。猫が好きだが猫アレルギー。好きなものは東京タワーと映画と現代詩と散歩と冬とペルシャ猫と女嫌いな女。Twitter:@No_001_Bxtxh